第20話 何故、物の怪でもないのに鋼の甲冑を身に纏う?(3)

 すると彼女の首筋からもちゃんとした温かい体温が。


「うぅ、うううっ。つ、冷たい」


 と、言った呻りと共に漏れる。


 そう、僕の膝の上にある彼女悲痛な顔が。


 僕の膝の上にある彼女悲痛な顔が。


 更に眉間に皴が寄るほど冷え切った。


 僕の掌と指へと、しっかりと伝わってきたのだ。


 ジーン、ジーンとね。


 だから僕の膝に頭を載せる姫武将は幽霊ではなく。


 僕と一緒である人間なのだと理解ができたから。


 僕は取り敢えずホッとしながら。


 自身の胸をなでおろし、安堵する。


 でも僕自身が安堵するのも束の間なのだ。


 だって僕は、自身の膝の上で悲痛な様子と。


 苦しそうな息遣いをしている姫武将の、ある事に気が付き驚愕する。


「あっ! この女性ひとの髪は金髪! 金色の色をした髪を持つ女性なんだぁ!」と。


 僕は叫び。


(と、言うことは? このひとは外国の女性なんだ)と、瞬時に思う。




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