第19話 何故、物の怪でもないのに鋼の甲冑を身に纏う?(2)

 洋式、バテレン仕様の鋼の甲冑を身に纏う。


 それも真っ白なカラーに、赤と金が散りばめられた装飾──。


 まあ甲冑に刻まれているデザインまでは。


 僕も細かくハッキリとは見え、確認ができないけれど。


 多分、煌びやかな装飾を施している物──。


 古物屋に持っていっても高価で買い取ってもらえそうな甲冑を見に纏っているのだが。


 彼女の荒い息遣いも、白くて温かいけれど。


 彼女の体温の方はどうだろうか? と。


 僕は思いつつ。


 彼女の襟元、首へと。


 自身の掌をソォ~と当ててみた。


 彼女に体温があるか、ないかを確認するために。


 もしも彼女に体温がなければ。


 僕が最初に思った通りで。


 僕の膝に頭を載せる彼女は、幽さまだと言うことになる。


 でッ、もしも彼女にちゃんとした体温があるようならば。


 僕と一緒で、身体中に血が通う人。


 人間だと言うことになるから。


 僕は彼女の首へと、ソッと優しく掌を当てて確認をしてみた。

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