第17話 出た~、お化け~! (2)

「で、でたぁあああっ! 誰かぁあああっ! 誰かぁあああっ! 助けてぇえええっ! 助けてよ~! お願い! お願いだからぁあああっ!」


 僕はね、気が触れたように声を大にして叫び! 絶叫! 助けを乞う!


 それも僕自身が何度も、同じ言葉叫び、放ちを繰り返した。


 でも、こんな山奥──。


 中国山地の頂上付近に近い小さな町。


 過疎化も大変に進んでいて、高齢者の多いい町にある農協の購買部だから。


 陽が落ち、辺りが暗闇──。


 そう、漆黒の闇に覆われた空間になれば。


 この辺りは歩行をする者等いなくなる静かな場所だからね。


 当たり前の如く。


 まあ、誰もこない。


 きてはくれない。


 それでも僕は畏怖──。


 恐れ慄き、震えあがっている状態だから。


「うわぁ、あああっ! 助けてぇえええっ! 助けてよ~! 誰かお願い! お願いします~!」


 僕は誰も助け等きてくれないとはわかっていても、絶叫をあげながら叫び、嘆願、助けを乞い続けると。


「うううっ、た、助けて、お、お願い。お願いだから。助けて……。た、頼むから。だ、誰でも良いの……。み、水をください。お願いします……」


 こんな気弱な台詞がね。


 僕の背後! 背へと寄りかかっている姫武将の落ち武者の幽霊の口から。


 僕の耳へと生温かい白い息と共に聞こえきたから。


「えっ!」


 僕は驚嘆を漏らすのだった。



 ◇◇◇◇◇

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