第12話 冬の夜も夏と変わらず怖い(2)

 ガサガサ


 ガサガサ、ガタン……。


 ガサガサ


(えっ!)


 ビクン!


 ドキ!


 ドキドキドキドキドキ……。


(い、今のは風かな? 多分風の音? 草木の葉が風で揺れ、隣の葉に当たり、擦れ。ザワザワと騒めく音だろうか?)と。


 僕は自身が脳裏で。


 自分自身に言い聞かせるように呟く。


 そして呟けば、僕はまただ。


「ううう~、寒い~。寒い……」と。


 自身の周りに、あえて聞こえるように、大きな声で独り言を呟く。


 そして終えれば、僕はまた沈黙──。


 黙々と作業を行い始める。


 う~ん、でも僕は、作業を続けながらあることを思う。


 そう、先程僕の耳に聞こえてきた風の囁き、と言うか?


 風が強く吹く事で生じる。


 草花、ゴミ、砂などが騒めき始め、生じる自然の音なのだが。


 この自然現象でできた風の騒めき音も畏怖──。


 恐れ慄くのは真夏だけだと、僕は思っていたけれど。


 真冬の夜、漆黒の闇の中で、自身の耳へと急に音が入ってくると。


 やはり畏怖してしまうのだな、と。


 僕は「あっ、ははは」と、一人笑いをしながら思う。


 それもさ?


 先程から何か変というか?


 僕の聴覚や体感等が妙に敏感に働き。


 ちょっとした音でも僕は過剰反応を示し、冷や汗をタラタラとかき。


 僕の身体が何故か震える。


 そう、あれを? お化け、幽霊と言う奴を。


 自身が見るとか! 金縛りに逢うとか! の前兆みたいな感覚に堕ちる僕だから。


 風の悪戯行為で生じる、草や花、木々の騒めきを聞きつつ。


(もう、本当に嫌だな、今日は……。早く片付けて帰ろう)と。


 僕は滅多と起こらない。


 五感以外の、六感以上の感覚を研ぎ澄ませながら


 僕は冷や汗かきつつ、慌てて後片付けをおこなうのだった。



 ◇◇◇

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