温室
窓の外は
うららかにぽかぽかと
青い空に
白い雲が浮かんでいる
窓のこちら側のわたしは
射し込む陽射しに
半身を照らされながら
重くなり始めた空気に
早く日が暮れないだろうか
などと思っている
窓の外は
いかにも穏やかで
青い空は
幸せの象徴のようだというのに
どうしてこんなに
息が苦しくなるばかりなんだろう
充分なものを与えられて
生きていることに感謝しているのに
どうしてこんなに
心が矛盾に悲鳴をあげるのだろう
窓の外には
時折、風が吹いている
青い空は
何処までも遠く果てしない
動くことの無い世界のなかで
ここで生まれて
ここで朽ちていくのだと
温室の花たちが
萎れかけた身を横たえながら
ひっそりと笑った
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