晩冬

カーテンの向こうでは

風が唸り続ける

夜明けが近いというのに


暦ばかりがはやく

季節に追い越されては

狼狽うろたえる晩冬


春は来るだろう

蕾はまだかたいけれど

それでも桜は咲くのだろう

約束は果たされないまま

それでも桜は散るのだろう


薄闇のなか


まだ咲き始めてもない桜の幻が

わたしの胸を苦しくさせる

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