ブラック珈琲

底冷えする朝に

わたしは思わずクシャミをする

今日の一杯目はブラック珈琲コーヒー

この苦さでボンヤリ頭を

スッキリさせたくて


猫舌なので

まずはカップを両手で持って

てのひらで温かさを

そうして、ゆっくりゆっくりと

珈琲コーヒーの香りを楽しむ


それから、そぅっと

少しずつ口に含むと

温もりが喉から胃に落ちていって

思わず

ほぅ……と声がでる



ああ、そろそろ

アノヒトからの電話がある頃

少し早く家を出て

コンビニで珈琲コーヒーを買って

駐車場に車を止めてからの朝の15分

コロナ禍で逢えない二人には

何より大切な時間


ブラック珈琲コーヒー飲みながらの

たわいない話

15分は、あっという間

またいつかきっと逢える日がくるから

三年目に希望を繋ぐ冬


にがい思いを珈琲コーヒーと一緒に

飲み下しながら


「いってきます」


「うん、気をつけていってらっしゃい」


いつもの言葉で電話を切る

きっと世の中で同じような

誰かさんたちが

こうして言葉で

心を繋いでいるんだろうな



そんなことを思いながら

わたしは残りの珈琲コーヒーを飲み干す


それぞれの今日が始まる

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