虎落笛(もがりぶえ)

窓の外では

風が、ひゅるひゅると

身を振り絞るようにいている


どうしようもない現実を残しながら

終わろうとしている今年の背中に

せめて少しでも追いつきたくて焦る


やるせなさの募る思いに

添うようにいてくれるのか

……風よ


暮れてきた空から降り出した雨は

いつの間にか雪に変わっている

一日が終わろうとしている


風の声を聴きながら

わたしは


深い黙想もくそうの海に沈んでいく

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