【詩集】残月詩情

つきの

残月詩情

明け方過ぎまで残っていた

その月は

泣き濡れた目をしたわたしに

まるで寄り添ってくれていたようで


わたしは、そっと窓を開けて

薄くなっていく月に

サヨナラをいったのだった


あれは、いつの夜明けだったろうか



思えば、あの日から

こんなにも遠くにきてしまった


空に残る月を見ながら

わたしは話しかける

お月さん、お月さん

星々が消えてしまった後も

そこにいるのは寂しくはないですか


答えなどあるはずもなく

月は静かに、その姿を薄くしていく



そうしてまた、今日がはじまる



よるが明けていく

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