第190話 アイカの策とは? (5)
「早く、俺に言いたい事。説明をしたい事があるならば素早く説明をしろ。でないと、ここで、この場で、俺達はいつまでも足を止めて、悠長に会話。戦の案を評議する。続ける訳にはいかない。少しでも遠くへ逃げないと。あのチビに追いつかれてしまうから。早く、話しがあるならば説明をしろ。アイカ」と。
ウォンは相変わらず、不貞腐れ、拗ねた顔、表情で、アイカを急かす。
急かせば、アイカはコクリと頷きながら。
「ウォン、分かったわ」
と、告げ。
「私、あのひとの戦の仕方は大嫌いだと罵り。オーク種族はあなたのような人種やエルフのような、人を欺き、虚をつくような汚い戦……。その他にも相手の水を断ち。食料を断つような、根絶やし。慈悲のかけらも感じられないような惨い。酷い戦は絶対にしない。私達オーク種族は誇りある狂戦士の種族だから敵。相手の事も敬意。尊重をしながら戦をするのと、あのひとに対して嘲笑い。苦笑を浮かべながら罵り。最後には健太。あなたは最低の男と薄ら笑いを浮かべ罵った事もあるの」と。
アイカはウォンへと説明をする。
「ふぅ~ん、そうなのか……」
ウォンはアイカの話しを首肯くしながら言葉を返す。
返せば女王アイカは再度ウォンへと口を開き。
「うん、だからあのひとは絶対、必ず。私達が伏兵の策を用いないと高を括り。深追いをして追ってくる事は間違いないから。私が、ウォンが引き連れてきた敵の中腹を叩き、前後を遮断! 敵が混乱をしている隙に乗じて、敵の先方隊を私とウォンとで挟み撃ち。敵に大打撃を与え、そのまま逃走を図れば。次はあのひとと、ミライの二人が、私達にも未だ策があるのではないか? と、思い。これ以上は深追いをしてこない筈だから」と。
アイカは力強く、ウォンへと告げたのだ。
だからアイカの策をウォンが採用して、彼が健太とミライへの囮となったのだ。
だからウォンは心の中で。
(もっと来い。近づいて来い。俺が貴様の首を盗る。みちるし首をあげてやるから)と。
ニャニャと薄ら笑いを漏らしながら。
怪鳥ミュウイを勢い良く走らせ、健太から逃亡を図るのだった。
◇◇◇
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