第185話 逃走をするウォン!(2)
だから彼は逃げる。
逃げている状態が。
今の彼、ウォンの状態、状況なのだ。
でっ、彼は、自身が先程、先に逃がしたアイカ……。
そう。女王だったアイカの想いや気持ちも考慮しないでウォンは、彼女を強引に我が物──。
二国の皇帝、覇王。魔王である健太から取り返して、自身の身を挺しながら彼女を先に逃がした。
でっ、今度は、自分自身も逃げて、妻の許、アイカの許へと追いつき、一緒に逃げたい。逃走を計りたいウォンではあるのだが。
先程も少しばかり説明をした通りで、健太が乗る。騎乗をする。
怪鳥ミュウイは、大変に優れた良鳥だから。
ウォンが騎乗をする怪鳥ミュウイとはスピードの方も雲泥の差があり。
その上、ウォンは、オーク種族の男達の中でも大柄な体型、体躯をしているから。
他国との戦の場合は、いつも怪鳥ミュウイの二頭立て──。
戦車に騎乗をしている。いたウォンであるから尚更、彼が只今騎乗をしている怪鳥ミュウイは大変にスピードが、健太が騎乗をしている名鳥ミュウイよりも速度が劣る。遅いのだが。
それでもウォンは、密林の入り口──。
ポッカリと開いた、ジャングルの暗闇、漆黒の闇に覆われた密林の入り口──中へと向けてウォンは、ひたすら、無我夢中で、逃げる。逃走をするのだった。
彼には、健太を打ち破る秘策を己の今の妻であるアイカから授けられているからね。
◇◇◇
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