第181話 ウォンと健太(2)

 だから彼も、ウォン自身も「チッ!」と、舌打ち。「ペッ!」と、唾を地面へと吐いて、健太へと悪態をついてみせるのだが。


 彼の、自身の生涯のライバルである。違う世界の自分自身である健太へとウォンは、更に悪態をついてみせる暴言を吐くのだ。


「うりゃ、あああっ! うぉ、おおおっ! かかってこいやぁあああっ! クソガキがぁあああっ! お前のような軟弱、弱虫等に。この俺。俺様は、負ける訳にはいかないのだ。クソチビ目がぁあああっ!」


 ウォンは別の世界の自分。二国の皇帝健太へと憤怒! 罵声を放ちながら。自身が両手で握る戟で健太のことを渾身の力を込めて薙ぎ払う。


 〈シュン!〉


 ウォンが渾身の力を込め、戟を振るい。薙ぎ払えば。


 ウォンと健太との間に、空を切る音。風が切れる音が聞こえてきた。


 と、同時に。


 健太の口から。


「うっ」


『チッ!』と、舌打ちが漏れてくるのだ。


 ウォンの渾身の力、気力を絞った攻撃が余りに凄まじいからね。

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