第176話 アイカとウォン (8)
「何でウォンは、いつも、いつも。私を。私の事を巻き込もうとするの。何故私の事をソォ~ッと、しておいてくれないの……。そんなに元貴方の彼女、婚約者だった私が幸せになるのが。なる事が、貴方には不満、不満の対象になるの……。今回だって、後少しで王の。私の王の怒りも解ける所だったのに。ウォン、貴方が強引に私を求めるから。また私は、王をお裏切る羽目になった。なってしまったじゃない。だからもう二度と取り返しのつかないようになってしまったから。私はもう二度と幸せにはなれない……」と。
女王アイカは、直ぐさま逃げる。退避する。此の国の首都──。
自分自身が産まれ育った町……。
只今炎に飲み込まれ、包まれつつある町、集落から逃亡をする訳でもなく。
その場で泣き崩れ始め。
そして嘆くのだ。
自分を事あるごと巻き込んでくる男。元彼、婚約者。不倫相手の男であるウォンに対して恨みつもりを募らせ、漏らしながら。
でも、ウォンは、自身の目の前で泣き崩れ、恨みつもりを漏らし、嘆く。女王アイカに対して、情けをかける。同情をする訳でもなく。
また強引に自分の物とした女。所有物の二の腕を握り掴んで。そのまま、強引に持ち上げるのだ。
「いくぞ。このまま、この場にいたら。俺達二人も危うくなるからな」と、だけ。
ウォンは女王アイカに告げる。告げると彼女もコクッと、頷き。今後の自身の幸せ。二国の太后殿下としての余生を諦め。『シクシク』と、泣きながらだが。ウォンに腕を握られ、強引に引きずられながら連れていかれるのだ。
今後は、ウォンの名ばかりの妻。性奴隷としての余生を送る為に、家畜のように引きずられながら。二国の王健太との愛の巣でもあった頃もある。此の国の神殿を後にするのだった。
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