第174話 アイカとウォン (6)

 ウォンが女王アイカに馬乗り。騎乗する行為をやめて、煙に包まれつつあるこの部屋の窓から外の様子を窺おうと移動を始めだす。


 だから女王アイカ自身も。もうこれは只事ではないと悟り。乱れている肢体。裸体にビキニ水着のような衣服を纏い。着始め。身なりを整え始めるのだ。


「そ、外が! 町全体が燃えている。燃え始めている。に、逃げるぞ! アイカ! 今直ぐに! このままこの神殿にいたら俺達も。宮殿もろとも焼死にしてしまう」と。


 誰にでも見られても良いようにと、自身の乱れている肢体に衣服を着衣し、整え始めている女王アイカにウォンが。火の海になりつつある。此の国の町。この神殿から。今直ぐ逃げる。退散をする。退却をするぞと、ウォンは、彼女の腕を掴んで引っ張り急かし始める。


 だから女王アイカは、自身の顔色を変え、動揺をしながら。


「えっ? ど、どう言う事なのウォン? 町が燃えているって?」と、問いかける。


「……どうも、こうもない。あのチビが。健太のチビが。自分の女に言って、この町に火を放ったのだろう」と。


 ウォンは苦々しい顔をしながら女王アイカに告げれば。


「えっ? う、嘘? 嘘でしょう、ウォン?」


 女王アイカは未だ信じられない顔をしながらウォンへと言葉を返すのだが。ああ無情……。

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