第173話 アイカとウォン (5)
そう、元々戦上手だった女王アイカの危惧していた通りだ。
彼女のライバルの一人であるインプの長メイが町の外で兵の立て直しと、重装弓騎兵隊と強弩連隊を二国の王健太へと援軍要請。健太へと助けを乞うてきたのだ。
だから二国の皇帝健太は、メイの救助要請を受けると自ら軍を率いり。電光石火の如く、勢いと速さ──。
そう、早きこと風の如し、の勢いで到着──。到着すれば彼は恐ろしい形相。覇王の如き振る舞いではない。魔王の如き様子と振る舞いで、此の国の首都。町、集落。反乱軍が占拠している町の中へと連弩と投石機を使用──。
それも、普通の民。民衆が未だ多々残っているにも関わらず。町の中にいる者達を含めて焦土作戦を決行──!
自身の嫉妬心から己の、国の民もろとも焼き払う。恐ろしい作戦を今後の自国の為。二度とウォン達のような、自身への反逆行為する者達を出さぬ為に見せしめの如く。火矢と火球を使用したロングレンジ攻撃を、無差別攻撃として始めだしたのだ。
だから木や葉を加工して建てた民家しかない町。集落だから。此の国の首都はアッと言う間に炎に包まれた状態へと陥るから。
「……あっ?」
「……ん?」
「「クンクン」」
「何、この匂い?」
「何かが燃えている。焦げているような匂いがするのだが?」
「……ん? ウォン、煙が。煙が外から入ってくるのだけれど?」と。
女王アイカが、自身の肢体を優艶に動かす行為を完全に辞めて、宮殿内の異常──。外から。窓から。何かが燃えた。燃えている煙が室内へと入ってくると、自身に馬乗りになる。なっている状態で、部屋の異常な状態を自身の目で追いながら動揺、困惑をしているウォンへと告げれば。
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