第151話 監禁・捕らわれの身……(6)

「後で誰か……。兵達にでも確認をさせてみようか? ミライ? ウォンが生きているのか? 死んでいるのかを?」と。

 健太がミライへと呟けば。

「そうですね。閣下。その方が私(わたく)目も宜しいかと思います」と。

 ミライも健太の横にピッタリと貼り付く、へばり付くように抱きつき。甘えながら。小さな窓の隙間から。横たわり身動きすらしないウォンの様子を窺うのだよ。


 まあ、こんな、優艶な様子を所構わずしながら甘える間者の長、ミライの様子を凝視すれば。もしかすると? 今一番二国の王健太の寵愛を一番受けているのは、彼の護衛件側近、付き人をしている彼女なのかも知れない?


 だって、二国の男王健太に、妖艶、官能的に接して甘えるものだから。男王健太の方が欲情、発情。男の性、性欲を抑え切れなくなり。この場! 自身の妃を寝取る。NTRをした男が投獄。繋がれ束縛をされている小屋の小窓付近で、急に獣、野獣化を始めだしたようだからね。中にいる男、ウォンがもう既に死んでいる。他界をしていると思いながら安堵。安心しながら二人は熱く、激しく。お互いが荒い息遣いと、嬌声を激しく吠え、漏らしながら上下に揺れ始めだすのだ。


 中にいる。横たわるウォンは、男王健太とミライの二人を油断さすために、只狸寝入りをしているだけに過ぎないのに。

 二人の男女は、完全に猜疑心も薄れ、安堵しながら。荒々しい獣のオスとメスの状態をお互いが昇天、果てきるまで続けるのだった。


 部屋の中の男が苦笑を浮かべ漏らしているとも知らずにね。



 ◇◇◇◇

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る