第150話 監禁・捕らわれの身……(5)
でも、衰弱しきった様子で、横たわるウォンの方はと言うと?
衰弱している自分に対して悪態をつく健太に対して「……」と、無言でね。
彼は、ウォンは、生きているのか、死んでいるのか、すら、わからない状態。無言で横たわったまま、身動きすらしないのだ。
「閣下? もしかしてウォンの奴は、もう既に躯。息もしていない状態なのでは?」と。
自身の主へと苦笑を浮かべ尋ねる。
「ん? どうだろうか?」
自身の彼女、側室であるミライに訊ねられた健太ではあるのだが。彼が覗く、覗き込む。この部屋の窓は、大変に小さな窓枠だから。健太がいくら部屋の中──。横たわるウォンの様子。生死を確認しようと思っても、この部屋の中は火事、火災の原因にもなりかねない。ロウソクの明かりを灯していない状態の上に、窓の方も、只今健太がウォンの様子を窺い。嘲笑い。蔑み、愚弄をするためにわざわざとつけた小窓一つだけだから。外の明るい陽が差し込まないようにできている造り。構造だから。尚更部屋の中は暗いので、健太はウォンの生死を確認できないでいる。
だから健太は、ミライの問いかけに対して、今のような言葉、台詞を、己の首を傾げながら呟くことしかできない。
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