第134話 束縛(4) 

 そう、自身に再度覆いい被さり。馬乗り。騎乗した状態へとなり。なって、暴れ牝馬! じゃじゃ馬娘と強引に交わり。調教、傀儡をしてしまおうと試みていたウォンなのだが。女王アイカに片足、聞き足で、足蹴にされて後方へと尻餅をついてしまうのだ。


 だからウォン自身も不満……だけではない。己の気を荒々しく、苛立ち、憤怒しながら。


「アイカ──! いい加減にしろよぉおおおっ! お前はぁあああっ! 何度でも言うがぁあああっ! あの小僧──! ガキの物じゃない──! 俺の物だぁあああっ! 以前からぁあああっ! だから大人しくしろアイカ──! 俺と大人しく交わり。あのガキの子ではなくてぇえええっ! 俺の子を産め、アイカ──! 分ったなぁあああっ!」と。


 女王アイカに告げる。告げてしまうのだよ。外の異変……。



 そう、二国の美少年健太の荒々しい使いである。オーク最強のアマゾネス、エリエ姫が、戦車の外──。こちらへと歩行をしながら向かってきているとも知らないで外──。戦車の外、周りのいる者達、女王アイカの親衛隊の者達がいる。馬上にて待機している場所まで聞こえるような勇んだ声と台詞で、二国の美少年健太への反乱、謀反を起こす気。気構えが自分にはあると勇んだ台詞を告げてしまうのだ。


 だから彼、ウォンの前で、己の優艶な裸体。産まれたままの姿を披露しながら仁王立ちで見下ろす女王アイカは、慌てて己の顔色を緑から青へと変化させて、自身の首を無言で振るのだ。


『ウォン頼むから。これ以上、あのひと。健太への謀反。意思があるのだと言わないで、叫ばないでウォン。あなた……』と。


 女王アイカの無言の言葉、台詞……。悲痛な顔、表情をウォンは、我に返り。ゆるりと見て確認をして初めて気がつく、自分自身……。



 いや、自分達二人に危機が! 大変なことが迫っているとね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る