第103話 アイカと年下な男の子(19)

 そんな彼、少しばかりではあるのだが、嫉妬心をあらわにし始め。段々と強張った顔を始める少年王──。己の可愛い王子さまのことを、黒装束の女性は、自身の金色の瞳を輝かせ、『フフフ』と微笑を漏らしながら嬉しそうに見詰める。


 いくら彼が、二国の王であり。この辺りの征服者であろうとも、思春期の少年であることには間違いない。ないからね。彼がいくら、己の容姿に不釣り合いな大人ぶっている。見せてこうが。


 やはり子供は、子供……。未だ成人に程遠い少年王だからね。年齢に相当をする嫉妬心を表せ始めだしたから。


 間者、黒装束、ゴブリンの大人の女性は、『クスクス』と、笑みを浮かべ漏らすほど嬉しい。楽しくて仕方がないのだ。


 でもね、彼? 可愛い少年王がある行動へと移り始めたから。


「閣下~。爪を噛まれてはいけません~。いけませんよ~」と注意、だけではなく。


「閣下の綺麗な爪に傷が……。それと? 爪が変形しますし。悪い病が閣下の体内に入る。入って身体の中を貪るようになったらどうするのですか~? 大変な事になります。だから直ちにおやめなさい~。閣下~」と。


 まるで、二国の少年王である健太の母親のような振る舞いで、王を諫め、叱るのだよ。



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