第102話 アイカと年下な男の子(18)

「……閣下~。そんなことを私(わたくし)に聞かぬでも分る。分る事だと思うのですが。閣下?」


 まあ、彼女に彼が問いかけてもこんな言葉、返事しか返ってこない。当たり前のことだが。


 だから二国の少年王である健太も、当たり前の行動と行為をとるのだ。


 そう己の腕を組み、小顔、シャープな顎へと指を当て、考える男性(ひと)のフリだ。フリをしてみせる。


『クスクス』と、相変わらず苦笑をもらしながら。


 そして己の口を開くのだ。


「そうだね。君の言う通り。言う通りだ。困ったウォン(人)と。何処かの誰か、誰かさんを侮り。裏切り。元サヤへと収まり。何処かの誰かさんに対して素知らぬフリ。それを今後も続けようとしている困ったアイカ(ひと)と、達に対して、さてさて、どうしたものか? どうするかな?」とね。


 二国の少年王である健太は意味深な台詞を、独り言でも呟くように言葉を漏らすのだ。


 己の脳裏で、こんなことも思いながら。


(う~ん、二人……。アイカとウォンの様子、様子の方は、もう少し二人のことを観察しながら様子を窺うようにしてみるか? う~ん、それとも? 今直ぐアイカを呼びつけ、僕の側にいさせ、ウォンの奴と離し。その後ウォンへと下知を出し。出して最前線へと送る。送りつけてしまうか? う~ん、どうしよう?)と。


 二国の少年王である健太はこんなことを、己の脳裏で思いながら次の手──。策を練りながら。二人の男女……。


 元婚約、深い仲、恋人同士……。



 いや、もしかすると? 夫婦だったかも知らない二人の仲を裂く方法を思案するのだ。


 黒装束──。


 小柄な肢体を持つわりには、妖艶、


 官能的な肢体を持つ間者──ゴブリンの大人の女性兵の前で思案を続ける。




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