第101話 アイカと年下な男の子(17)

「二人……。閣下の大事な妃の一人であるアイカさまと。太后様が抱える。側に置いて、自分自身を守らせている男……。近衛隊長の男ウォン……。あの男動き、行為が、どうも怪しい。可笑しいのです。閣下……。だからアイカ様を閣下の側へとお呼びした方が宜しい。宜しいと思いますが。自分は……。どういたしましょう? 閣下?」と。


 二国の少年王である健太の耳元──。彼の耳や首元が、くすぐったい。くすぐったくなるくらいの身近、真近くで、安易に闇にまぎれることが可能な黒装束の衣装を身に纏う。小柄な異種族の女性が、フウフウ、ハァ、ハァ、と、健太の耳、耳の穴へと、荒々しい息遣い。吐息を吐き、漏らしながら。可愛い王へと優しい声色で、フフフと、問いかけるのだ。


「う~ん、そうだね?」、「……どうしようか?」、「どうするかな?」、「……君ならどうする?」


 二国の王、主、盟主である自分へとSリゲなく甘えてくる黒装束の異種族の女性……。



 そう、どんな暗闇でも目が利く上に、大変に良い耳と、己の持つ小柄肢体(身体)で、敏速、機敏な動き──。また、それを得意としている種族小鬼……。


 そう、ゴブリンの間者の女性は、己の主である少年王健太──。白馬の王子さまへと妖艶、官能的に問いかけてくる。くるのだ。


 でッ、それを聞いた健太も、彼女へと問いかける。


『君なら』、『貴女なら』、『どうするか?』と、彼女が返す返事が何か、何かを知っている。知っている癖に、苦笑を浮かべ、悪戯ぽくね、問いかけるのだ。




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