第100話 アイカと年下な男の子(16)

 傍から見ていても余り気持ちの良いものではない様子──。大変にドロドロとした男女の仲──。二国の少年王である健太の産まれ育った異世界の地、日本のお昼の連ドラや夜のサスペンスに出演する。しているヒロインと間男のような様子を此の国の女王と此の国の漢王になれなかったウォンとが、ドロドロとした邪な恋愛ドラマのワン・シーンのような恋愛を魅せる。続ける。


 まあ、でも、あれだ?


 これだけ女王アイカが絶叫をあげれば、彼女が率いる女王直属の近衛隊、兵達も、ワッと、騒めき始める、だけではない。


 遠く離れたところ、場所で、己の左右に両翼とも言える妃さま二人、ジャポネの女王シルフィーと、此の国の領主であり。最強のアマゾネスであるエリエ嬢達二人を優艶、煌びやかに着飾らして並べる。二国の少年王である健太の耳へと自然と入る。


 そう、彼の耳に囁かれるのだ。女王アイカが危惧していた通りの間者! 二人……。女王アイカと、女王直属の近衛隊の隊長であるウォンを、二国の少年王である健太や東太后であるシルフィー達二人から命──。下知を受けて二人。此の国の女王アイカと、此の国の漢王になれなかった男の二人が、不穏動き、怪しいことに加え。二国の少年王である健太を蔑ろにするような裏切り行為や反逆行為をする。しようとしている。もう既にしたかも知れないと、言った行為を観察、監視をしていた黒装束……。



 まさに、日本の古来、中世のころにいたとされる忍び装束──。忍者らしき小さな身体。容姿の者が、二国の少年王へと、ヒソヒソと囁くのだ。


「女王アイカとウォンに不穏な動き、行為があり。あります。閣下……」と。


 女性の声音で、健太へと囁くのだよ。



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