第90話 アイカと年下な男の子(6)

 そう、危惧をしながら自身の胸の中で甘え、戯れる可愛い年下の王さまを凝視するのだが。


「……ん? また只……。只って何、アイカさん?」と。


 当の本人である二国の男王である健太の方はこんな感じ。こんな感じで、上の空……。




 全くと言ってよいほど、己の新たな妃、妻であるアイカの話しを聞いていない状態。上の空と言う奴、様子で己の妃、妻である女王アイカへと無我夢中で貪り、戯れ、甘えているのだ。いる状態なのだ。


 でも? 彼女、此の国の女王アイカは、ジャポネの女王、シルフィーのことが気になる。気になって致し方がない。ないからね。


 もうそれこそ? 己の気が落ち着かない。休まらない。今後枕を高くして寝る。睡眠をとることが不可能なくらい気になるから。


「健太~。あなたの以前からいる妃達……。そう~? 特にジャポネの女王、東太后でシルフィーさんは何も? 何も言わない。言ってこないの、健太~?」と。


「……いや~、あなた~? あなた~? ねっぇ~? どうなの~? あなた~? ちゃんと答えてよ~。お願い。お願いだから~」


 と、問うのだ。


 此の国の女王アイカね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る