第7話 プロローグは多分? 熱いキスだった? (7)

 でもね? 彼女の力は、少年の予想に反して力強い。


 と、言うか? 抱擁力が大変に強いようだ。お胸の方も『タユンタユン』と、上下左右に大変に揺れ動くくらいだから。女性ホルモンも抱擁量も二つのオッパイに満載に詰まり搭載をしているからね。


 抱き枕の如く抱きつかれている。少女のようなひ弱、軟弱な肢体を持つ彼がいくら彼女の胸のなかで暴れようが、ものともしない。動じない状態なのだ。


 でッ、どちらかと言えば? 緑色の肌を持つお姉さまよりも、抱かれている少年の方が危うい状態のようだから。


 だって、最初、少年の方が、「はぁ~、はぁ~」と、大変に息と吐息が荒いから。若い歳の差のある種族の壁を越えた夫婦の営みの最中ぐらいだとしか思っていなかった。


 でもさ? 二人に近づけば、このように違うと言うことの気がついた。


 そう、女性──。お姉さまの方が一方的に、少女のような可愛い容姿を持つ少年のことを気に入り、魅入って。熱い抱擁と甘くて辛く、酸っぱい。大人のキスを味わい堪能をしているみたいだからね。


 だって彼女──。緑色の肌を持つお姉さまは、少年とのキスを止め、辞めると。


「ん? あ、私か?」と。


 少年の問いかけに対して言葉を返す、だけではなく。


「フゥ~」と一息入れると。


「私は、此の国の女王アイカ──! 君の妻だ! 今後は宜しく頼むぞ! 婿殿……。いや、健太!」


 と、告げる


 だから少年の方はね?


「えぇ、えええ~。うそ~。うそでしょう~?」と。


 まあ、当たり前だが、この木造造りの神殿内に響き渡るような声を大にした、絶叫をあげるのだった。



 ◇◇◇◇◇

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