第4話 人は自分の知らないことを受け付けない
人は自分の知らないことを受け付けない。
母親だからわかることってありますよね。毎日、赤ん坊の様子を見ているから、少しの変化にも気づくことができます。長男が生まれたとき、私は母乳だけで育てていました。
一歳が近づくと、そろそろ断乳のことを考えないといけないと思い、ミルクにチャレンジです。でも、ミルクをなかなか受け付けませんでした。味かな?それとも乳首のゴム?母乳の間隔をあけて、お腹が空いたのを見計らって飲ませてみますが、うまくいきません。
そんなとき、ふと気がついたことがあります。長男にはアトピーがありました。ひどいものでもなく、私は気にしていませんでした。(大人になるまでには治るだろうと思ってたんだ)ミルクにチャレンジのため、母乳を少ししか飲ませなかった翌日は、顔などの赤みが少ないのです。ミルクに失敗し、以前のように母乳だけにすると、赤みは多くなります。(それって、赤みの原因が母乳ってことじゃん。違う?)
そのうち断乳がうまく進み、ミルクだけの生活になると、アトピーは少し残る程度でした。次男が生まれたあと、一月ほどして、保健師さんの訪問があったときだったと思いますが、母乳のことを話しました。保健師さんが怪訝そうな顔をしたことは確かです。母乳は赤ちゃんにとって最高のものだと信じているはずです。まさか、母乳でアトピーの症状がひどくなったなんて、考えられないと思います。(そりゃそうやな。このお母さんは頭おかしいと思ったやろな。)使命感から、母乳を続けるようにとしか答えられなかったと思います。
私自身も信じられないことでした。まさか、母乳で赤くなっているとは想像を超えています。もともとアトピー体質だとしても、その症状を左右していたとは、驚きでしたが、実際に目にしていたのです。
しかし、人間の体は複雑です。血液ひとつにしても、多くの血液型が存在し、私たちがよく知るABO式、RH式以外にもたくさんの型式で調べると、無数の血液型があるのです。DNAのように、同じものは存在しないとも言えます。人間の理解できていない部分があるのです。免疫学、アレルギーに関しても同じです。
知らないからといって、目の前で起きたことを否定する理由にはなりません。私の母乳は男の子には拒否反応を示されましたが、女の子には受け入れられました。不思議ですよね。
人は常識にとらわれやすい生き物。みんなと同じなら安心なのかもしれないけれど、それで目をふさがれても生きづらいものです。
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