第3話 免疫反応ですよ

 免疫反応ですよ。

 眼科でそう言われて初めて怖さを知りました。

 数年前、夜、車を運転している時のことです。対向車のライトがまぶしく、左の眼が痛いほどです。「ハイライトなのかな」と思っていましたが、どの車のライトもまぶしいのです。左目を閉じて走行。職場について、仕事にかかります。その時の仕事はホテルの掃除です。

部屋に入ると、ベッドの照明がついていると、その灯りが目に刺さるように痛いのです。それで、目の異変に気づきました。(眼に病気って怖いやんか。)

 翌日、眼科を受診して言われた言葉が、「免疫反応ですよ」。免疫反応とは、体を守るための機能です。それが働くということは、何かしらの異物と判断した体の防御作用。つまり、アレルギー反応。

 その時点で大豆に関してのアレルギーは感じていましたから、恐怖を覚えました。痒いだけが症状じゃないのです。痒いは、体の表面に出たときの症状の一つ。今回は目の黒目と呼ばれる虹彩に潰瘍ができていました。

 「いままでにもたくさんあったようですよ。小さい痕がいくつもあります」。右目にもあるのだそうです。

 火傷でいえば、痒いは赤くなった程度だとしたら、水膨れだってあるのです。もっと深い傷になることもあるはずです。(赤くなるくらいのヤケドなら傷は残らんで。けっこうな大きいヤケドみたいな傷が眼に残ってたんやな。)

 二十年ほど前から、たびたび経験した筋肉痛。四十肩でも五十肩でもない、だって骨は痛くないんだもの、腿や腕、首筋といった部分。その筋肉の付け根あたりが痛いだけ。しかも一週間から長くて二週間で治まるのです。なぜ骨ではないといえるのか。それは、骨なら、どの方向に動かしても痛い、でも私の場合、動かす方向を変えると大丈夫なのです。つまり、使う筋肉を痛みの少ないものにするのです。

 耳管ってご存じですか。気圧の調整などに使われる、耳と鼻をつなぐ穴です。中耳炎などでふさがると、耳鼻科で管を当てられ空気を通す穴。痛いですよ~。その部分が痛いことがありました。風邪をひいたわけでもなく、熱もない。いつものあれかな、と様子をみていましたら、三日もすると落ち着きました。(どこにでるかわからない恐怖。)

 眼科を受診したことで、いろんな症状がでることがわかった免疫反応。眼の場合は、さまざまな病気が表れやすいのです。しっかりと診てくださる医師なら、問診が長いし、診察も丁寧。なぜ、わかるのかというと、眼科でバイトしたことがあるからです。

 息子が学校の視力検査で、医療機関を受診してくださいと書かれた紙をもらってきたとき、近くの眼科を受診すると、何も問診せずに「仮性近視」と言われました。「この子には持病があるのです。筋力がつくまでに、他の子の倍かかります。毛様筋も筋肉でしょ」と言いたかったのを飲み込み、二度とその医院には行かなかったです。

 膝の付近が痛かったとき、整形外科に行きましたが、レントゲンを撮り、「リハビリしましょう」と言われたことがあります。それって、年のせいってことみたいでした。でも、いつものごとく、一週間ほどで治まるものでした。

 肩から首にかけて、肩こりのような状態になり、動かすと頭まで痛くなったとき、今住んでいる近くの整形外科に行きました。レントゲンを撮られ、医師はそれをみながら、「首の骨の5番目と6番目の間が狭くなってるからでしょうね」と説明しました。鎮痛剤と炎症を抑える薬をいただきました。

 しばらくして、また同じような症状になったので、診てもらうと、「痛いですか?おかしいですね」と疑い深げ。その時もレントゲンを撮ったのに、私は少しも変った感じはしなかったのです。(痛いのがおかしいって、何?本当は骨と骨の間がどうとかって関係なかったんじゃないの?)私は同じように痛いのに、以前と同じ薬を出されました。その薬で痛みが治まることは事実なので、有難くもらいました。

 整形外科で、痛みがアレルギーからだなんて考えないだろうし、その時はまだ自分でも理解していませんでした。

 春先になると、麦粒腫(ものもらい)は毎週のようにできていました。鼠径部(ビキニライン)にも、何度もおできができ、早めに見つけてはつぶしての繰り返し。

 頭皮に湿疹ができると、これは治まるまで時間がかかります。どの薬も効かず、シャンプーも効果なし。(美容院も行きづらいな)

 いやはや、免疫反応はつかみようがない存在です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る