第2話 GODIVA

 初カレ様のお仕事の異動が決まりました。


 カッコいいから、今の職場の方もそうですし、新しい職場の方にもモテちゃうんだろうなぁ。


 異動する度に彼女出来たり、女の人から連絡先を渡されたりしてるみたいだし……。


 それだけ素敵な方って事なんですけれども、あやえるは、ちょっぴり不安です。


 案の定、初カレ様は、職場の皆様からプレゼントをもらっていました。


 ふぐぬぬぬ……やっぱりちょっとジェラシー。


 余談ですが、学生の時にラブホテルに行った時のお話です。

 ラブホテルに入った時に

「あのさ、ロビーの壁の隅に背中向けて待ってて。」と、初カレ様はあやえるに言いました。

 部屋に着いて理由を聞いたら

「そういう事する場所ではあるものの、この子がこれからそうゆう事するんだなって目で誰にも見てほしくなかったから。」と、言われたのです。

 

 なので、お互いひとり暮らしなのですが、デートはいつも初カレ様の家。彼いわく、「この方がふたりきりでいられるでしょ?」との事。


 キュンでしかないです!


 この日もおうちデート。

 職場の方からのプレゼントの高級そうなお菓子をふたりで食べていたら、急に初カレ様がキッチンへ。

 

 戻ってくると初カレ様の手には小さなGODIVAの袋。

 

「はい。」

「え?」

「君に。」


 あ、職場の方からのプレゼントかな?


「職場の方からの?」

「いや、君に。俺から。」

「……?!」


 キョトンとしながらも袋を開けると中には可愛いリスの絵の描かれたチョコレート。


「お礼のお菓子買いに行ったら、GODIVA見つけて、可愛かったし、前にGODIVA好きって言ってから。」


……?!


 ちなみに職場の方へは、全員分まとめて一箱でお礼したそうで、あやえるには……GODIVA。


 はわわわわっ!!!!!

 心臓持ちません!


「一緒に食べて下さい!」

「じゃあ好きなの選びなよ。」

「選べません!尊すぎて!じゃあ、あやえるに食べてほしいもの目をつぶってるので選んで下さい!」


 目をつぶっていると、何も起こらなかったので、あれ?と思って目を開けたら……初カレ様の顔近くて……。


 ドキドキして、少ししかかじれなくて、結局全部はんぶんこして食べあいっこしました。


 GODIVAが甘すぎるのか、初カレ様との時間も甘すぎて……しばらくあやえるはぽーっとする日々が続き、今もGODIVAを見るとドキドキがリメンバーして、はううううってなってしまいます。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る