家の倉庫が転移装置になったので、女神と四大精霊に農業を仕込んで異世界に大農場を作ろうと思う ~史上最強の農家はメンタルも最強。魔王なんか知らん~
第302話 乙女だらけだ! 春日未美香、セルフィ、リュックたん、ウリネたんの同世代女子会!!
第302話 乙女だらけだ! 春日未美香、セルフィ、リュックたん、ウリネたんの同世代女子会!!
コルティオール。
春日大農場にほど近い従業員の家の1つ。
リュックたん宅。
「うがああ! マジやべぇ! 友達が家に来るとか! 私の家に友達が来るの初めてなんだが!? え。どうしたらいいん!? 掃除はした! トイレとかちょー磨いた!! スリッパはモコモコしたヤツ買ってきたし!!」
初めて自分の家に友人たちが訪ねてくるため、エメラルド乙女はテンパっていた。
なお、春日黒助のクリスマスデートはパラレル展開。
世界線が違うので、なかった体でお楽しみください。
そしてミアリス様はリュックたんの中で第二の女将認定されたので、友達カウントされておりません。
ご了承ください。
完結してもないのにifルートとかすると、読者が混乱するから本当に迷惑ですよね。
「な、なんかいい匂いさせた方がいいのか!? ぐぅぅ! しまったぁ!! トイレの芳香剤しかねぇ!! ……これ、ギャンブルだぞ。ラベンダーの香りを部屋中にまき散らすか。けど! みんなが来て、第一声がなんか臭くない? だったら! 私は多分死ぬ! おっぱいから爆発して死んじゃう!! うああああ!! はっ!! やべぇ! 大事なこと忘れてた!!」
リュックたん、スライディングするようにタンスの前に向かうと、上から2番目の引き出しを開けた。
そこには下着が入っており、彼女は真剣な表情でパンツとブラの配置を調整した。
「おし。これで大丈夫! やー。あぶねぇー!! 女友達が来たらまず下着のチェックされるって大魔王が言ってたもんな! じじいの言う事はだいたい正しいから、これはマジ助かった!!」
ベザルオール様は全知全能ですが、時に間違えられます。
きらら系の雑誌は全て購読しておられるので、これは無理からぬこと。
汗を拭うリュックたん。
呼び鈴がなってビクンと体を震わせた。
恐る恐る玄関に向かうと、乙女が3人待っていた。
「リュック! ウチらが来たしー!! お! なんかいい匂いするし!!」
「ま、マジ? 臭くない!?」
「全然だし! リュックの匂いだし!! これは深呼吸しとかないとだし!!」
「え゛っ。それはそれで、なんかヤダ」
まずは10代乙女の特攻隊長。
風のギャル。セルフィちゃん。
「ごめんね。リュックさんの家に集まっちゃって。嫌じゃなかった?」
「ぜ、全然! ぶっちゃけ緊張しまくったけど、なんかこーゆうの、嬉しかったりすんだよな……」
「そっか! 良かった!! これお土産! ミスタードーナツ寄って来たの! リュックさんの好きなフレンチクルーラー、たくさん買ってきたよっ!!」
「マジで!? うわ、すっげぇ嬉しい!! ありがと、未美香!!」
現世からやって来た天使。春日未美香たん。
お土産はミスタードーナツが女子高生のマスト。
なお、ミミっちはオールドファッション推し。
「リュっちのおうち、なんか変わってるねー!! ボクねー! よくミアリス様のお部屋で寝るけど、壁に服とか下着とか干さないのー?」
「え゛っ? や。ちょっとわかんねっす。ウリネ先輩もようこそです。マジで何も面白いとこねぇんすけど。うす」
「えー? 楽しいよー! あそこになんかメカがあるしー!!」
「あ。あれは配信用の機材っすね。あとで触ってみます? 私、使い方教えるっす」
最後はコルティオールの末っ子。ウリネたん。
末っ子なのに17歳組より1歳年上の18歳であると言うパラドックスを抱えている。
本日は女子高生のお茶会をお送りします。
◆◇◆◇◆◇◆◇
女子高生が集まれば、とりまだべるのだ。(諸説あり)
特にテーマもなく、気の向くままに話題を誰かが出して、肩ひじ張らずに意見を述べる。
意見を述べずスマホをいじっていたり、お菓子食べているだけでも問題はない。
これがどれほど得難き時間なのかについて、まずは語りたい。
最初に女子高生をおっさんに変換錬成する。
すると、お茶会は飲み会と言う名のキメラになり、猛威を振るう。
とりまたべっていると、先輩がグラス空になったぞアピールを始めるので、メニュー表を差し出す。
すると「ん」と言って、ビール、或いはハイボール辺りを指されるので、店員さんにオーダーをしなければならない。
俺より若い後輩いっぱいおるやんけと彼らを見ると、気ままに酒を飲んでいる者、スマホを無言でいじっている者、気配を消している達人、いつの間にか帰っている強者などが散見されるが、彼らは先輩のために注文をすると言う文化がないため、そこに「おいおい、ユーたちさぁ」とおっさんムーブかましてしまうと、その瞬間から業務に支障が出始める。
女子はATフィールドを展開して「こっち来んな」と無言で主張。
そこで始まる上司のフリートーク。当然、意見を求められるまで口は呼吸以外に使ってはならない。
意見を求められるとまず同意、次に全肯定と続き、当たり障りのない意見を述べるとトークサイコロが勝手に振られて次のシーンへと移行する。
自分のグラスが空になったが、注文をすると上司の会話を遮る事になりギルティ。
仕方がないので氷をガリガリやって喉を潤していると、ATフィールドの向こうの使徒たちが「ぷっ。なにあれ」と嘲笑してくる。
誰の話かは知りませんが、若かった彼は別の世界に転生したらしいです。
それでは、リュックたん宅を見てみよう。
「え? 女子が集まったらとりあえずパンツのチェックすんじゃないの!?」
「あははっ! しないよー! いくら同性でもマナー違反だよっ!」
「マジかよ! クソじじい!! 騙しやがったな!! ちょー頑張って整理したのに!!」
「むふふー。んなこと言われると気になってくるし!」
「え゛っ!? や、ふ、普通だから! 見ても楽しくねぇって! セルフィ、すぐ冗談言うもん! 心臓に悪いわー」
おもむろに立ち上がるウリネたん。
「お? ウリネ先輩、トイレっすか? 洗面所の隣なんで自由につかぎゃあぁぁぁぁ!! 何してんすかぁ!?」
「わー! リュっちのパンツ、意外と可愛いねー!! ボクねー! 黒とか紫とかだと思ってたー!! ねー! みんなも見てー!! パステルカラーが多いのー!!」
「ほぎゃぁぁぁぁ!! や、ヤメ! ヤメてぇ! んがぁ!? ちょ、なんでセルフィも立つの!? うそだ!? 未美香も!? 未美香はしないよね!?」
「えへへー。ちょっと興味あるかもだよー。ごめんね、リュックさん!!」
それから、3人の乙女によるリュックたん下着品評会が20分ほど続き、ストレスでリュックたんはせっかく育つようになったおっぱいが少ししぼんだと言う。
「うぅ……。ひでぇじゃん……。私が話題振ったのが悪いの? パンツはまだしも、ブラまで並べることねぇじゃん……。ただのちょっと固い布じゃん、私のヤツ……」
「わー! ごめん、ごめんね! リュックさん!! 悪ノリしちゃったよっ!!」
「いやいや! リュックは分かってねーし! ウチの見立てだと、リュックの雰囲気とギャップがあってあれは絶対ウケるし!! 自信持つし! なんなら、ウチもお揃いの買おうと思ってメーカーまでメモったし!!」
「……ホントぉ?」
この時の潤んだ瞳のリュックたんは反則的に可愛かったらしい。
とりあえず、未美香とセルフィはフレンチクルーラーを差し出した。
ウリネたんまでキープしていたポンデリングを差し出したので、これはガチのマジ。
遅れて来たルーキーヒロインは恐ろしいと証明したのだった。
「リュっちー! メカ触ってみたーい!!」
「おっ。いいっすよ! 何します? 動画撮ってみます?」
「おー! なんかすごそー!! じゃあねー! ボクやってみるー!!」
「じゃ、すぐセットしますんで! あー。せっかくだから大魔王にでも送りますか!」
「うん! 送るー!!」
「うす! じゃ、ヘッドセット付けてー!!」
楽しそうな2人を眺める未美香たんとセルフィちゃん。
幸せな時間はゆっくりと流れて行くのであった。
いくら払えば、その空間に混ざれるのですか。
誰か、教えてください。
◆◇◆◇◆◇◆◇
その日の夕方。
魔王城では。
「べ、ベザルオール様ぁぁぁ!! いかがなされましたかぁぁ!?」
いつも冷静沈着なアルゴムが大きな声を出していた。
眼前には血だらけの主が横たわっている。
「くっくっく。……アルゴム。余は、もうダメかもしれぬ。リュックたんから動画ファイル送られてきたから見てみたら、リュックたんと未美香たんとセルフィちゃんとウリネたんのお喋り動画だった。鼻から血が出た。多分耳からも出た。血圧が上がり過ぎて倒れた。余が死んだ後は、コルティオールを卿に任せる……」
「……とりあえず、お身体が冷えるのでブランケットをかけておきます」
その後、ベザルオール様は幸せそうな顔で眠るように息を引き取らず、普通に寝られました。
今日もコルティオールは平和であった。
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