家の倉庫が転移装置になったので、女神と四大精霊に農業を仕込んで異世界に大農場を作ろうと思う ~史上最強の農家はメンタルも最強。魔王なんか知らん~
第282話 【クリスマス分岐ポイント!!】夢の中の春日黒助
第282話 【クリスマス分岐ポイント!!】夢の中の春日黒助
12月23日。午前2時。
春日黒助は眠っていた。
いつも熟睡して気が付けば朝がこの男の日常だが、今宵は趣が違う様子。
彼の夢の中からお送りいたします。
◆◇◆◇◆◇◆◇
黒助は生徒指導室の椅子に腰かけていた。
目の前にはクイックルワイパーを携えた老人が立っている。
「くっくっく。よくぞ参った。迷える者よ」
「なんだ、じいさん。さすがに睡眠中はプライベートなのだが」
「くっくっく。ものの数秒で明晰夢に気付いてワロス。今宵は卿に伝える事がある」
「そうか。手短に頼む」
「くっくっく。淡泊過ぎる件。よく聞くが良い。明日はクリスマスイブ。卿はヒロインズとデートをする使命がある」
「そうか。意味は分からんが。やれと言うならやろう」
「くっくっく。しかし、ヒロインズから1人だけを選ぶと惨劇が起きる」
「そうか。それは良くないな」
「くっくっく。具体的には、選ばれなかった乙女たちが暴れまくって、なんやかんやで余の魔王城が半壊する。これは避けられぬ運命。ゆえに、余は時を遡って2日前の卿の夢にやって来た」
「そうか。ご苦労だった」
「くっくっく。この子、ほんまに話を理解して聞いとるんやろか。良かろう。余が卿の意識に介入したことで、未来は分岐する。卿には数多の可能性のルートを辿ってもらう」
「なるほど」
「くっくっく。余のいる世界線が救われるのかは、この時空の仕組みを知らぬので分からぬ。が、平和な世界線を作るためには、卿の協力が必要である」
「よし。分かった」
「くっくっく。この子、絶対話を理解してないやん。では、余の大魔力により、卿に起こる可能性が一定値以上の確率で存在している未来を全て体験してもらう。安心してね。終わる度に記憶消えるから」
「そうか。助かる。時にじいさん。聞くが」
黒助が真剣な顔をした。
「こんなメタな事やって平気か? まだ世界は滅んでないが。怒られないか? この世界を観測している多くの神に」
「くっくっく。多分平気じゃないかと思うの、余。普段からギリギリなラインすれすれで走ってるし、この世界。あと、もう1回言うけど、卿の記憶消えるし。余は卿とは違う世界線から来てるから、この世界の余は何も知らんし。せやろ?」
黒助は「そうか。分かった」と頷いた。
つまり、そう言う事である。
荒廃したコルティオールの未来を防ぐべく、黒助のクリスマスループが始まる。
~~~~~~~~~
ベザルオール様からのお知らせ。
くっくっく。卿ら、ごきげんよう。
これから数話、パラレル展開が続くことになる。
そういうのが嫌いな方は、申し訳ないがしばしお待ちいただきたい。
タイトルに【〇〇ルート】と記載するゆえ、そこを避けてもらえると幸いである。
本編には直接関係ないため、読み飛ばしても何ら問題ない仕様となっておる。
なにゆえこの残暑厳しい今、クリスマスデート回のループをするのかは余にも分からぬ。
たまにはラブコメ書きたいやん、などと訳の分からぬ声が聞こえた。
卿らの付き合いの良さを信じ、余は自分の世界線に戻るとしよう。
ちなみに、本日は2話更新であるゆえ、次話も更新されておる。
真冬の話を読んで戸惑いながら鼻で笑うのも一興よ。くっくっく。
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