　君は見た。

　正面は壁だ。ディスプレイのないただの壁だ。

　君は進む。前に。部屋の全貌が確かめられる位置まで。

　右に扉があってくれ、と願いながら進む。

　左にはあるな、と祈りながら。

　左に扉があることは死を意味する。

　オセロの真似事をして扉を開いたときの縦横三かける三の九つのマス。その中央が行き止まりだとしたら、ループと同じく地獄だ。

　いや、ループのほうがまだましだ。少なくとも動き続けることはできる。その間になにか打開策を思い付くかもしれない。

　右を見るか、左を見るか。

　さぁ、どうする？

　君が決めるのだ。

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