?×19=Gむ
君は仲間外れの「ク」に触れた。
カシャリと例の音がすると同時に画面に並んでいた「コワイ」たちが粉々に砕け散り、消えていく。
ディスプレイは暗くなり、白い光の四角い残像を残して上昇を始める。
ここまで君はいくつの扉を開いただろうか?
八つだ。いよいよ九番目の部屋に繋がる道がひらけようとしている。
君の抱き続けてきた疑問というか不安というかが、姿をはっきりとさせ始める。
そうだ、扉の位置だ。
君は正面にあるのだろうと予期している。
正面と左が交互に訪れるパターンは今のところ崩れてはいない。
今度も正面にあると、どういうことになるだろうか。
そうだ、君は賢い。
これまでの八つの部屋はすべて同じ大きさの正方形だったはずだ。
君は頭のなかに地図というか見取り図、部屋の配置を表した図を思い描く。
なんなら仮の姿の君は、仮の世界で、実際に図を描いてみるといい。
できたかね?
そうだ、次の部屋は最初の部屋になるのだ。第九の部屋は第一の部屋にあたるのだ。
これでは君はここから出られない。
ループの最初に戻っただけだ。
そして、ここまでのところ、君は君が謎を解いて開いた扉以外の出口らしきものを見つけられていない。
パターンが破れて、今度は右に扉があり、それが最後の扉、ここから脱出する扉であればよいのだか、はたして、そんなことはあるのだろうか。
おや、そろそろ上昇する扉と床の隙間から隣の部屋のようすがわかるようだね。左右の壁こそ見えないが、少なくとも奥の壁の中央付近は確認できる頃合いだ。
さぁ、どうする?
君が決めるのだ。
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