?×14=Jぴ
君は顔を上げた。
ディスプレイには、なにもうつっていない。
どういうことだ、と君は頭を抱える。
一度、目を閉じる。息を吸う。そして、吐く。
まぶたをあげて、もう一度、ディスプレイに目をやる。
相変わらず、ディスプレイには、なにもうつっていな……
真っ白だった画面に変化が生じた。
文章作成ソフトのカーソルのような縦の黒い棒が左上に現れた。
現れては消え、現れては消えをくり返す黒棒。
カタという軽い音とともに、まず“k”と画面上に出現した。
アルファベットのkだ。小文字のkだ。
またカタと音がして“k”が消え、“き”に置き換わった。
すると、“き”の右に“m”が現れた。画面には“きm”とある。
変化は続く。“m”が消えて、“み”になった。
画面に動きがあるごとに謎のカタという音がする。どこかで聞いたことのあるような音だ。
ここで君は気付く。“きみ”には下線が引かれていることに。
直線ではない。点線だ。
次の瞬間、“きみ”は“君”に変わった。漢字に変換されたのだ。
“君”にも下線が引かれている。今度は点線ではない。やや太い黒い直線だ。
トンと音がして“君”の下の黒線が消える。
君
画面には“君”の一文字。
言いようのない感情が君を襲う。目をそらしたくなる。目をつむりたくなる。
さぁ、どうする?
君が決めるのだ。
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