第4話花火

「――の結婚式にも来なかったよな?」


「あぁ行く気になれなくて」


「何回も連絡したんだぞ」


「携帯持って無くて」


皆からの電話が何通も掛かってきて


冷やかしの電話だと思ってムカついて


海に投げ捨ててしまった。


「結婚式のスピーチはお前に向けた物だったから、皆で電話したんだぞ」

 

「そうだったのか……ごめん」


「――が好きだったなら、また小説書けよ」


「言ってる意味が分からん」


「俺から言えるのはそれだけだわ」


そう言ってお金だけを置いて、出て行った




♢♢♢




「良いけど、どこ行くの?」


「花火大会」


「彼氏と二人での方が良いでしょ」


「なんか予定あるみたいで断られた」


「彼氏がいる子と二人で花火大会は行けないよ」


「聞いてみて大丈夫だったら、良いでしょ」


「まぁ、それなら」


電話をかけ始めた


「良いってさ」


「それなら良いけど」


「じゃあ行こっか」

 

「あぁ」


電車に乗って向かっていると、浴衣姿の人がどんどん増えてきた。駅には人が溢れる位沢山居た、人の多さに酔いそうになった。



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