第5話涙

次の日――の墓参りに向かった。


高校生の頃に良く通った道が懐かしく感じた、


高校生の記憶は彼女との思い出ばかりだった。



♢♢♢



「人混み凄いな」


「花火大会とか来たことないの?」


「花火自体見た事ないよ」


「17年生きてて初めて会ったよ、花火見た事ない人」


「見る機会がなかったんだよ」


凄い馬鹿にされてる気がした


「私のお陰で見れるんだから感謝してね」


「はい、はい、ありがとう」


「林檎飴食べたい」


そう言って走って林檎飴の屋台に向かって行った


「美味しいの?」


「一口いる?」


「うん」


「どう?」


「めっちゃ美味しい」


「でしょ」


彼女が笑顔でそう言うと花火が打ち上がる音が聞こえた


「綺麗」


「確かに」


夜空には花火が上がっていた。

初めて見る花火は思っていた何倍も綺麗だった


「花火を見ると夏が始まった気がするんだよね」


「夏といったら花火っていう人の気持ちが、わからなかったけど……良いね花火」


彼女の方を見たら目から涙が流れていた


彼女の視線の先には親友が女の子と一緒に歩いていた


泣いている彼女から目が離せなかった


泣くほど好きになれるなんて、凄いと思った


俺はその姿に惹かれてしまった。

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