第四回 御近所から始まる、お付き合い。
――束の間の距離。歩きながら見る冬の星座も、ほんの束の間だった。
「
「そうね、御近所の内に入るのかな? う~ん、守備範囲には入ってるかも」
と、言うくらい、僕のお家から近かった。
「お邪魔します」と僕と梨花、ここでも息はピッタリで、合唱を遂げていた。
すると台所、そこには「まあ、本当にソックリね、お二人さん」と、颯爽たるお声を頂いた。「可奈から聞いてるよ、梨花ちゃんと
弾む会話の最中、差し出された赤い狐と……
僕は緑の狸なの。梨花は赤色を選んだの……
三分と五分のコラボ……待ちに待つの、程よく解れた心と同じように麺も。おだしが食道を通るも何とも言えない温かさ、懐を温める。とてもとても美味しく……
「二人とも……
とくに千佳かな、そんなガッツかなくても……よっぽどお腹が空いてたんだね」
「千佳、美味しいね」「うん」
……温かさにせいかな? 涙が出てきちゃって……記念に残る味。僕の五臓六腑にまで染みわたる程の歓喜。皆で囲む食卓は、こんなにも温かかったの? と、思えるの。お家でボッチだったことも、お母さんの帰りを寒さ堪えて待っていたことも、忘却され。
そうなる程に、可奈のお母さんの笑顔が、とっても温かかったの。
そんな渦中にあって、インターホンが響いたの。――そう。その尋ね人とは。
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