第二回 お星様から始まる、その道連れ。


 ――お空には、お星様の集大成。冬の星座を彩る、お空いっぱいのプラネタリウム。



 舞う小雪も、シャンデリアのように輝くの。今頃は、普通の家庭なら家族で御飯時。でも僕はボッチ。お母さんが帰ってくるのも、とっても遅いの。多分、僕が眠ったあと。


 仕方ないの。お母さん一人で、僕を養ってくれているから。


 なのに、僕は悪い子だったの。不登校だった上に、警察にだって補導された子だったから。それでも今は、僕の我儘を通して私学の、梨花りかたちと一緒の学園へ転校させてもらっているのだから……当然の報いだよね。今日、この寒空で、お家の鍵をなくしたのは。


 お家の前でしゃがみ、思い出の糸を辿ってみる。鍵が何時からなくなったのか? 見当がつかない。心当たりが多すぎるけど、電車の中だったりしたら、どうしようもない。


 お母さんに話したら、きっと怒られるけど、

 ……待つしかないの。


 コンビニで温かいもの……

 勿論そんなことはわかっている。……でも、お金もないの。


 グスッ……と、泣きそうになった時、ファサッと、頭の上から何か覆いかぶさった。


 ――見上げると、梨花が立っていた。梨花は何だか怒った顔をして……って、


「怒ってるの?」


「当たり前でしょ、こんな寒空で。風邪ひくだけじゃ済まないんだよ」


「……鍵なくしちゃって」


「何で言ってくれなかったの? さっきの千佳ちかの様子が気になって来てみたら……僕のお家でお母さんの帰りを待ってたら、それでよかったのに」


「そんなの、できないよっ。僕は梨花の御両親にも、多大な迷惑をかけたんだから……」


 そう言って俯くと、梨花が僕の傍に、真横に身を寄せながら座ったの。


「なっ? 何してるの、梨花」


「だったら僕も千佳と一緒に待つ。千佳のお母さんの帰りを」と、厳として言うのだ。



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