ボクッ娘の赤い狐と緑の狸は、冬の星座も温めちゃうのかな?
大創 淳
第一回 帰り道から始まる、その出来事。
――冬の星座。つまり十二月半ばのプラネタリウムの帰り道。
因みに令和元年の、今からもう二年前のことだ。
僕は……ううん、僕らは歩いていた。もうボッチではないの。帰り道を、いつも三人で歩くようになった。この子たちと出会ってから、僕の生活は、学園生活も含めて以前とは考えられない程に、楽しく色づき始めた日々に変化をしていた。
モノクロではなくカラー。
それは、僕の心の色……。
先頭を歩くのは、
それに名字まで同じで、一人称が『僕』というところまで、余すことなく激似以上。なので僕もまた女の子なの。
最寄りの駅に着くなり、
……つまり学園からの帰り道、プラネタリウムに寄ってから、一旦は梨花のお家。診察券を取りに行くためで、彼女が熱っぽいように見えたから大事みて……ってことだ。
その結果は、異常なし。
でも僕は……僕の方に異常があったの、別の意味で。――鍵がないの。僕のお家の鍵がポケットにも、リュックもゴソゴソしながら探していると、梨花が……
「どうしたの?」と、心配そうな顔をして訊くの。
「ううん、何でもないよ」と、笑顔に努める。もう三人が其々へ別れる時間。リアルなお空に、冬の星座が映し出されそうだから。きっとお家の人が心配すると思ったから。
散り散りに、つまりは解散。皆を見送った後、僕は自分のお家の前で佇んだ……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます