第13話 2-7 英雄という名のインフルエンサー
八雲大臣から渡された資料には、こう書いてある。
2021/8/13に発生した日本大震災の調査結果について
・塔について
日本全国で100本ほどを確認 大きさはさまざまだが、
横幅10キロ高さ2キロを超えるものも存在した。
まだ内部調査は、できておらずナンバーズしか挑戦できないと思われる。
・ナンバーズについて
塔に初めて触れた際にNoを割り振られた者たち
確認できているものの共通点は高校生ということのみ。
始まりのタネと呼ばれるギフトを付与される。
・ギフトについて
始まりのタネから発芽する。
クエストをクリアしたポイントで獲得できる。ダンジョンクリアでももらえるとのアナウンスあり。
クエストポイントは以下の通りランクによって変わる。
A?
B?
C100
D10
ギフトを得るためのポイントは以下の通りギフトのランクによって変わる。
A?
B?
C100
D10
.クエストについて
全国各地で、ランダムに発生していると思われる。
いきなり現れるが、クエストには今のところ一体の怪物
以下魔獣と呼ぶが、存在しており、討伐することによってクエストクリアとなる。
・ワールドクエストについて
日本の東京にてAランククエストがクリアされたとのアナウンスあり
残り99個存在すると思われる。詳細は一切不明
以上
成る程、改めてまとめたものを見るとわかりやすい。
このゲームの様なシステム自体に疑問はあるが、
仕組み自体はシンプルに思えた。まだわからないことだらけではあるが。
「そして剣也くん、私はこのワールドクエスト
これが今回の騒動の鍵になるとみている。」
ワールドクエストがクリアされました。の音声が流れたのは、ちょうど2日前だ。
「これは君のことではないかね?」
「わかりません。あの時そのまま意識を失ってしまい、そのワールドクエストのアナウンスを聞き逃しました。」
「なるほど、それほどの死闘だったわけだね。
では、ステータスと唱えてくれるか?これは他のナンバーズの子が発見したものでね。」
言われるがままステータスと唱えた。
すると目の前にウィンドウが現れた。
「これは?」
「私からは何も見えないがね。
ナンバーズ通しなら見えるらしい。自分のギフトとクエスト状況がわかるらしいが、どうかね?」
個体名 御剣剣也
No00001
ワールドクエストクリア数1
攻略情報
攻略名 攻略数
Sランククエスト 0
Aランククエスト 1
Bランククエスト 0
Cランククエスト 0
Dランククエスト 0
Sランクダンジョン 0
Bランクダンジョン 0
Cランクダンジョン 0
合計獲得ポイント 1000000
所持ギフト名 ランク 概要
思考加速 A 思考速度を1~1000倍にまで高める。
始まりのタネ E 発芽を待つその者の可能性のタネ
ログ
1.心の鉢により、思考加速を発芽しました。
2.Aランククエストクリア報酬として、100万ポイントを付与しました。
3.ワールドクエストクリア報酬として、始まりのタネを付与しました。
これが俺のステータスか。
ステータスというか、記録だな。
ゲームみたいに身体能力を数値化とはいかないようだが。
ギフトとクリア状況そして、
「ログという項目に、Aランククエストクリア報酬として、100万ポイントを付与しました。
そして、ワールドクエストクリア報酬として、始まりのタネを付与しました。とあります。」
「やはり、君だったね。
ワールドクエストをクリアした場合、始まりのタネがもらえる。つまりはギフトを増やせるということか。なるほどなるほど、ギフトを早く発芽しなければ、ワールドクエストをクリアできないが、早く発芽するとより強いギフトにならない。
これはなかなかいやらしいシステムだな。
となると、やはり教育が必須で、ギフトだけに頼らない戦闘訓練が必須だな。
そして、最後には集中させる。
やはりあの計画を進める必要が、、、、」
八雲は一人で考え込んでしまった。
何やら教育やらをぶつぶついっているが、自分の世界に入ってしまった。
しばらくして、八雲は顔を上げた。
「すまない、悪い癖が出てしまったようだ。
少し考え込んでしまった。
しかし考えはまとまったよ。いま君がくれた情報で、決心した。」
「何を決意したんですか?」
「いま日本、いや世界はバラバラになりかけている。
国民の心は不安でいっぱいだ。
あの魔獣への対抗手段が得られないのに、出現報告は日々増えている。だからね。剣也君」
八雲は少し貯めを置いて決心したように答えた。
「この国には、英雄が必要だ。
だからなってくれないか。
君が英雄という名のこの国の若者たちの代表に、つまりはインフルエンサーに。」
「インフルエンサー?インフルエンサーってあのインフルエンサーですか?」
インフルエンサーとは、世間に与える影響力が大きい行動を行う人物のこと
by Wiki先生
頭の中でWiki先生が答える。
「私の計画を少し話そうか。
君たちナンバーズはこれからも確認されて、人数が増えていくだろう。
だが君たちはまだ高校生が、戦うすべも方法も知らない。
不相応な力を持ってしまったまだ大人じゃない子供たちなのだよ。
だから私は、君たちが戦いのすべを知り、高めあい、励ましあうための教育機関が必要と考えている。」
剣也は考えた。確かにこの力を持った学生たちをそのまま日本各地で放置するわけにはいかない。
どこかでまとめて管理集中し、各地の魔獣討伐へ当たらせるべきだと剣也も思った。
「剣也君、君はアメリカに現れたドラゴンを見たかね?
あの怪物たち、魔獣と呼んでいるが、奴らには近代兵器は一切効果がない。
まだ核兵器は試してはいないが、同様のバリアが貼られる可能性があるし、市街地に
落とすわけにはいかない。
しかしあのドラゴンを倒す方法があると私は考えている。
君がケロベロスを倒したようにね。
あぁ、君たちナンバーズなら奴らに有効打を持つ。
これは推測だが、魔獣たちはナンバーズにしか倒せない。
ナンバーズ以外の攻撃は一切通さないのだろう。
ナンバーズが近代兵器を操作してもそれは同様だ。
ならば今後魔獣が現れたときに、対処するのは、君たちナンバーズにしかできないことだ。
だから私は君たちナンバーズを集めた学校を作る。
もちろん、普通の授業も行うが、戦闘訓練も行う。
賛否両論あるだろうが、これは世界中でそういった動きがあるんだ。
正直他の国はもっと過激だがね。
そしてあの魔獣達を斃せる少年少女達、君たちを世界は何て読んでいると思う?」
八雲は、剣也に尋ねる。
「ナンバーズではないんですか?」
「それは、私たちが呼んでいるだけだ。そもそも番号のことはそこまで知られていない。
世界ではね、君たちを、God children つまり神の子と呼んでいる。
悪魔のような魔獣たちへ立ち向かう神のごとき力をもつ子供たちという意味を込めてね。
だから私は作ろうと思う。君たち神の子達を教育する学園
日本国立神の子学園をね。」
しかし世間がそれを許すのか。
高校生に戦いを強制させるそんな学校を。
「そう、そこで一つ問題がある。
それが世論だよ。君たちはまだ高校生、成人もしていない。
そんな子供達が特別な力を持ったとしても世間が戦うことを許してくれない。
だから君が必要なんだ。
剣也くん、君にはこの学園のプロパガンダそして、日本のインフルエンサーになって欲しい。
そのための計画も考えている。
聞いてくれるかい?」
「わかりました。計画を聞きます。」
とりあえず計画を聞こう。話はそれからだ。
剣也は、すでに八雲の術中であり、断れないように雰囲気を作られているのだが、
海千山千の政治家相手に高校生が丸め込まれるのも仕方ないだろう。
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