第9話 嫌な予感
次の日、准は自分の友達、橋本 仁志と雨崎 翔太を連れて奈々子の病室に向かった。
仁志と翔太は元々中学からの友達で、准とは高校で仲良くなったのだ。
時々、奈々子の友達と准の友達で一緒に遊んだりすることもあるので、奈々子達とそこそこ仲が良かった。
三人はそれぞれ考えごとをしながら奈々子の病室に向かっていた。
翔太は、「准と一緒に忘れられてたらどうしよう。もし忘れてなかったとしても俺のこと覚えてるかな。影薄いってよく言われるし」ということを考えていた。
仁志は、「お見舞いに持ってきたお菓子気に入ってくれるかな?」と考えていた。
そして准は、
「二人のこと覚えてるかな。もし、二人のことも覚えてなかったら俺の心、少し軽くなったりするのかな。って何考えてんだ。
奈々子が二人のこと覚えてるのが一番いいのに。俺、友達として最低なこと考えてるな...
それよりも、仁志が奈々子に何か変なこと言ったりしそうなのが一番不安なんだけどな。嗚呼、どうかこの予感が外れますように。仁志が何かやらかしませんように。」と思っていた。
准達は奈々子の病室に着くと、准がドアにノックをしてドアを開けた。
奈々子は窓の外を眺めていたがノックの音に気づくとドアの方を見た。
准はドアを開けると奈々子がこちらを見ていたので少しドキっとした。
すると准は、ドキッとしたのを隠すかのように微笑んで
「今日は俺の友達を連れてきたよ」
と言った。そう聴くと奈々子は嬉ししそうに
「本当ですか!」
と言うのとほぼ同時に、仁志と翔太が入ってきた。すると入ってきたのに奈々子が気づくと、
「あ、仁志くんに翔太くん!」
と言ったのでみんな、心の中でホッとした。
すると仁志が
「これ翔太と俺からのお見舞い。お菓子の詰め合わせだから好きなの食べて!」
と言ってお菓子の箱が入った紙袋を奈々子に渡した。
「ありがとう!でもこのお店のお菓子なら、退院する前に全部食べちゃうかもな〜」
と聞くと仁志は、奈々子がお菓子を気に入ってくれて良かったと安心した。
他の三人も春の陽気のせいというのもあって、みんながポカポカした気持ちになった。
すると仁志が、
「いやー、でも良かった」
と言うと他の三人はお菓子のことを言っているのか?と思った瞬間、仁志が...
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます