第7話 カレーラーメン!!!
「って、やっぱりラーメンかよ。」
俺はきつねうどんを手にしながら、絶賛麺すすり中の砂糖に言う。
「おま、カレーラーメンがあったんだ、頼まざるを得ないだろ?」
「いや別に自信満々で言われても分からんよ。カレーうどんはいつもあるし。」
「くそー、カレーとラーメンがいっぺんに味わえるこの美味しさがわからんか。お前そんなんだから彼女できねぇんだよ。」
俺がうどんをすすりながら言えば、砂糖が可愛そうなものを見る目で言う。
「それ関係ないだろ。てか、そういうお前はどうなんだよ。彼女さんとうまくいってんの?」
この砂糖という男。金髪でいかにもチャラそうなのに、こと恋愛においては一途なのだ。
「たしか、幼稚園からの幼馴染? だっけ。すげぇよなお前。よく今もラブラブだな。」
幼稚園なんて誰がいたかすら覚えていない。
中学でも微妙だ。
「もうラブラブ期はとっくよ昔に過ぎたわ。もはや熟練夫婦よ。お互い好きなのは知ってるから、持ちつ持たれつで程よいお付き合いを継続中です。」
砂糖が自慢気に言う。
あっ、カレー跳ねた。
明るい服でカレーラーメン食うからだよ。あれなかなか落ちないぞ。
「すげぇよな。ほんと、そこだけは尊敬する。」
きつねうどんをすすりながら、称賛する。
こちとら彼女なんてできた試しがないし、そんな続く気もしない。
だからそういうところは尊敬に値する。
「それ以外にも色々あるだろ。ごちそうさん。お前午後から何する?」
カレーの染みを忌々しく見つめながら砂糖が尋ねる。
「えー、特にないな。帰るか本屋行くか図書館行くか寝るか。」
そういや、ファ○タジア文庫の新刊出てたっけ。
「お前、華のキャンパスライフだぞ?」
砂糖が再び可愛そうなものを見る目をして言う。
「知らねぇよ。俺の人生で花が咲いていることなんてなかった。常に蕾だよ。いいだろ、未来があって。花なんてあとは枯れるだけだろ。」
あれなんだろう。自分で言ってて涙が……。
「俺はお前の将来が心配だよ。暇なら、合コン行かね?」
泣きそうになる俺に、砂糖がゲスな笑顔を浮かべて言う。
「はぁ? 俺が行くわけ。あと、お前彼女さんいるだろ。いいのかよ。」
ちょっと失望したぞ。
「あっちもたまに行ってるし、許可もらってる。ただし、連絡先交換すらNGよ。人数合わせに誘われてるし、大人数だからただの飲み会って感じだからさ、な? お願いよ。」
彼女さんめっちゃ信頼してるしされてんじゃん。
ちょっと羨望したぞ。
「別にイイけど……。」
俺みたいな陰のものがinしていいところなのかそれは?
俺は一抹の不安とともに最後のうどんをすすった。
神様がずっと『うどん……ジュル……』と、うどんを狙っていたが、一本もあげなかった。
というか、もの食えるのか?
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