―73― 合成
〈回復力強化〉を選んだ場合。
550スキルポイント払って、レベル3まであげることができた。
傷の治りが早くなるため、長期戦に強くなったが、傀儡回し相手だと一撃で死んでしまうため、あまり意味はなかった。
◆
〈隠密〉を選んだ場合。
このスキルも550スキルポイント払って、レベル3まであげることが可能だった。
途中、遭遇する魔物に見つからず行動できるため、道中は楽だったが、聖騎士カナリアには普通に気付かれたので、あまり意味はなかった。
◆
〈身体強化〉を選んだ場合。
220スキルポイントを払って、レベル3まであげる。
先のスキルと違って、たった220ポイントで済んだ。恐らく、スキルのレア度が低いほど、レベルアップに必要なスキルポイントが低いのだろう。
「あれ? 意外と戦いやすい」
ふと、道中の魔物と戦っているとそんな感想を得る。
〈加速〉を選んだときは素早く動くことで敵を倒すことができたが、その分の体力の消費が激しく、連発することができなかった。
対して、〈身体強化〉はあらゆる身体能力が強化されたようで、非常に戦いやすくなった。
まぁ、聖騎士カナリアには負けたが。
ただ、〈身体強化〉がこれほど戦いやすいことを知れたのは大きな収穫だった。
◆
〈筋力強化〉を選んだ場合。
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合成の条件が揃いました。
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宝箱の前で〈筋力強化〉を選んだ瞬間、予想外のメッセージが表示されたので、俺は驚く。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
〈剣術〉+〈筋力〉▶〈剣士〉
合成に必要なスキルポイント:610ポイント
△△△△△△△△△△△△△△△
というメッセージが現れて、俺はようやっと合成の意味を理解した。
どうやら二つのスキルを一つにすることができるらしい。
スキルを一つにするメリットはなんだろう?
例えば、一人が持つことができるスキルは五つまでと決まっているため、合成すれば、所持できるスキルの枠が新しくできるというメリットがあるか。
まぁ、デメリットはなさそうだし試しにやってみよう。
というわけで、早速必要なスキルポイントを支払って、新しいスキル〈剣士〉を獲得する。
「あれ? 圧倒的に動きやすいな」
スキル獲得後の
今まで選んできた他のスキルよりも、圧倒的に戦いやすい気がする。
今までの〈剣術〉スキルが大幅にパワーアップした。説明するとそんな感じだろうか。
その後の聖騎士カナリアには負けてしまったが。
◆
〈耐久力強化〉を選んだ場合。
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合成の条件が揃いました。
〈剣術〉+〈挑発〉+〈耐久力〉▶〈騎士〉
合成に必要なスキルポイント:1010ポイント
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どうやら〈耐久力強化〉を選んだ場合、〈騎士〉というまた新しいスキルに変化するようだ。
なんとなく〈剣士〉よりも強そうだし、もしかしたらこれが最適解かもしれない。
「あれ? 思ったよりも戦いづらいな」
どうしてだろう? と考えてみて、その答えにたどり着く。
動きが鈍いのだ。
思い返せば、〈騎士〉というは全身に重たそうな甲冑を身につけている代わりに、動くの大変なイメージがある。
今の俺は甲冑なんてものを身につけてはいないが、やはり体がどことなく重たい気がする。
俺は今まで、いかに俊敏に動いては敵の攻撃を回避するかを意識して戦ってきた。防具を身につけてない俺にとって、一撃が致命傷だったせいだ。
なのに、スキル〈騎士〉を選んだせいで、そういった戦い方と正反対の戦い方を強いられるようになった。
〈騎士〉は決して弱いスキルではないんだが、いかんせん俺には向いていなかった。
そんな調子で、勝てるはずもなく、当然のように俺は聖騎士カナリアには負けた。
◆
〈俊敏強化〉を選んだ場合。
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合成の条件が揃いました。
〈剣術〉+〈挑発〉+〈俊敏強化〉▶〈シーフ〉
合成に必要なスキルポイント:1010ポイント
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ふむ、どうやらまた合成して新しいスキルを手に入れることができるらしい。
〈シーフ〉か。
盗賊とかって意味だよな。
あまり強そうには思えないが、まぁ、試してみるか。
そんなわけで俺はスキルを合成して〈シーフ〉を手に入れては、宝箱を開けると出現する多数の
変化はすぐに訪れた。
まず、大きな変化として、〈猛火の剣〉が重たいと感じるようになったのだ。
確か、〈シーフ〉は短剣のようなリーチの短い武器を主に戦う役職だったはず。だから、短剣ではない〈猛火の剣〉と相性が合ってないのだろう。
とはいえ、多少、動きが制限されるだけで、戦えないってほどではない。
もう一つの変化は、
「動きがよく見えるな」
今まではこんなことはなかった。
だから、容易に攻撃を回避して、敵の急所を狙って刃物を突き刺すことができる。
気がつけば、全ての
「うん、今までで一番手応えがある」
もしかしたら、これなら聖騎士カナリアを倒すことができるかもしれない。
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