兄とあたし

バブみ道日丿宮組

お題:くだらない兄 制限時間:15分

兄とあたし

「……ん、新しいやつだ」

 がさごさとお兄ちゃんの部屋を漁ると、あたしが買っておいた新品の下着が隠されてた。

「……もう」

 それを手に取り、部屋に戻りしまい直す。

 4、5回繰り返して再度また探す。

 しまう場所はいつも固定だから発見するのはかんたん。

 唯一やっかいといえば、鍵のかかったタンスだろうか。ここの鍵は決まった場所にない。ベッドの下であったり、枕の中であったり、国語辞典の中であったり、あたしの下着にしまってあったりする。

 ちなみに隠してあるのは、あたしがつけたことのある下着。履こうと思ったときにだいたいいつもないことで気がつく。

「……あった」 

 鍵は日記の中にあった。

 その鍵を使って、タンスをあける。

 中にはあたしの写真と、当然のようにあたしの下着がある。

「……もう」

 兄はとんでもなくあたしが好きなのだ。

 こうしてしまいこんで、堪能してる。

 あたしが取り返すことも知っており、反応を楽しんでる。

 逆に兄の下着を隠してみればどうかと思ったことはあるが、あたしはそこまで変態じゃないし、お兄ちゃん大好きっこでもない。

 ただ……眠るときは一緒に寝たいし、お風呂は入りたいとは思う。

「……あれ?」

 見知らぬ写真があった。

 いつものパジャマではなく、薄っすらと裸に近い状態のあたし。

 これは……寝てるときに脱がされたということだろうか?

「むむ」

 お風呂で見てるはずなのに、本当にえっちなんだから。

 ちょっと恥ずかしいけれど、没収しないでおいてあげよう。しかたないよね。お兄ちゃんはあたし大好きだもの。

 そういうことなら、古い下着をあげちゃってもいいんだと思う。

 新しい下着を買ってくれるのもお兄ちゃんだから、それぐらいの願いを叶えてあげてもいいかもしれない。

 お兄ちゃんの趣味はわりとロリータちっくなものが多い。学校でからかわれることも多い。

 それでもあたしは兄の選んだ下着をつける。

 たった一人の兄妹だもの。

 愛を持って、過ごさないとね。

「……日記か」

 読んで欲しいのかな。

 あたしのことが書かれてるかもしれない。

 そう思い、日記を持ってベッドに飛び込んだ。

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兄とあたし バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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