自由の女神

自由の女神といえば、アメリカの独立100周年を記念して作られた象であり、アメリカの象徴である。

この像はアメリカのニューヨークにあるが、実は日本にもある。


お台場、青森、函館、石巻(今は上野公園)である。

この中では、お台場は知っている人も多く有名だろう。

中には観光に行き、思ったより小さいなとガッカリした人もいると思う。


次点で言えば青森だろうか。

実は青森の自由の女神像が日本一大きいことはあまり知られていないのではないだろうか。

この像は、像が建てられた町がニューヨークと同じ緯度の北緯40度40分で結ばれることから、「4」にこだわり実際の自由の女神像の4分の1の大きさで作られている。

公式ホームページによれば高さは20.8mであった。


このように日本各地になぜかある自由の女神像だが、実は滋賀県にも存在する。

場所は、滋賀県栗東市にある。

この自由の女神は、「プラザ太陽」というホテルの屋上に建設さてれいる。

感のいい方なら気づいたと思うが、このホテルはラブホテルである。


滋賀県内ではとても目立つラブホなのだが、口コミはあまり良くない。

施設が古いらしい。


こんなにも目立つシンボルを掲げているのが、まさかのラブホテルとは、なんと自由な県なのだろうか。

自由の女神だけにね。

すいません。


ーーー


滋賀県の大きな商業施設として挙げられるのが、ピエリ守山、竜王アウトレット、草津エイスクエアなどであろう。


どれも滋賀県南部に位置しており、北部の人間にとっては馴染みの薄い施設である。

実は滋賀県は田舎だと思われていることが多いが、南部に限っては大阪、京都のベッドタウンとして意外にも栄えている。


滋賀県民の中でも、南部に住んでいる人は勝ち組であろう。

それ程に北部と南部の差は激しい。


そんな北部に住む人間も、たまにこのような商業施設まで遠出することがある。

北部の人間にとっては、滋賀県南部に行くより、福井県に行く方が近い場合もある。


この日は、母親と一緒に草津のエイスクエアまで買い物に来ていた。

エイスクエアには北部には無いような多くの店が集まっている。


小学生高学年になり、段々とオシャレにも気を使うようになった僕は、滋賀県を中心に展開する「ボーンフリー」というセレクトショップで服を購入したかった。


しかし北部には、このようなオシャレな洋服屋はない。

その為、この南部への遠出は、自分の服をオシャレにする為に重要な要素だった。


いつも服を買っている店に比べ、このボーンフリーは1.5〜2倍の価格帯になる。

しかしオシャレにお金は付きものである。

この日も僕は、母親にお願いする。


ボーンフリーで買い物を終え、フードコートで食事を済ませた僕たちは、自宅へ帰るべく国道を走っていた。


そこで、僕は左手に自由の女神を発見した。

小学生でも流石にこの像は有名なので、自由の女神だとわかった。


「お母さん、自由の女神がある!」


「そうやねー」


「なんで日本にもあるん??」


「なんでやろー?」


「なんか建物の上にあるけどあれってなんかのお店なんかな?」


「なんのお店なんやろうね」


「次買い物来た時行ってみたい!」


「また時間があったらねー」


この時は、なんの建物かわからずこのような会話をしていた。

母親も返答には困っただろう。



ラブホテルは、お城など、特徴的な見た目をしている事が多い。

その為、子どもができたら何の建物か聞かれるかも知れない。



自分もいつかはこう言おうと思う。

「お前ができた場所だよ」と。

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滋賀県の子供の日常 カワラダネ @ryoiy625

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