第19話 遠矢との再会
何故か知らないが。
俺は凪帆とゲームをする事になった。
と言うのも所謂.....サッカー。
その事に俺は?を浮かべながらも。
参加を余儀なくされた。
「.....お兄ちゃんの為その1。.....サッカーを思い出す」
「.....まあ確かにな」
デート?の途中で公園に寄ってから。
俺はユニフォームを隠し着ていた凪帆に驚きながら。
そのままサッカーをする事になった。
マジかコイツ何やってんの?
思いながら.....置いてけぼり(ユニフォームですら無い)の様な俺は凪帆を見る。
「お兄ちゃん。サッカーボール。はい」
「.....お前.....何かと思えばサッカーボールだったのかそれは.....」
「.....だよ?.....お兄ちゃんの為にね」
大きな荷物を持っていたと思ったら。
それはサッカーボールだったのかよ、と思いながら額に手を添える。
全くコイツという奴は、と思いながらサッカーボールを受け取る.....しかし久々だな.....本気で、だ。
ボールにすら触りたくなかったしな。
ここ最近は、だ。
考えながら足元にサッカーボールを置いてみる。
それから.....俺は足で浮かせてみた。
そしてサッカーボールをバウンドさせるが落とす。
あー。これはマジに鈍っているな。
と思いながらサッカーボールを拾ってから凪帆を見る。
凪帆は付け髭をしていた。
何してんだコイツ。
「.....お兄ちゃんの為のその2。昔を思い出す!さあさあ!!!!!」
「お前何でそんなに熱中してんの?.....昔って言ったって.....遠矢しか思い出さない。.....俺のサッカーメイトだけど」
「ふむ。宜しい!それで良いのじゃ」
「.....どういうキャラだよ」
そんな事を言いつつ苦笑しながら俺はサッカーボールを蹴る。
そして.....それはかなり飛んで行った。
それから人の前に落ちる。
俺は驚きながら、すいません!、と言いつつ駆け寄る。
そこには.....子供連れの女性が立っていた。
「.....御免なさい。怪我は無かったですか」
「.....いえいえ。.....怪我は無いですよ」
「.....そうですか。すいませんでした」
「.....しかし.....その。.....人違いだったら御免なさい。.....貴方は.....もしかして元輝くん?」
「.....え?」
俺は驚きながら顔を上げる。
凪帆が付け髭を外しながら寄って来た。
その顔は.....明るい顔で.....若い女性。
しかし少しだけ暗くなると.....あ。
まさか.....!?
遠矢か!?、と思いながら驚く。
「.....久しぶりだね。.....元輝くん」
「.....そうだな。.....かなり久しぶりだなお前。.....結婚していたんだな」
「.....あのサッカーチームが解体されてからは.....引退して結婚したよ。.....久々だね。本当に。.....丁度結婚してこの町に引っ越して来たの」
「.....ああ。そうなんだな。.....俺は元気だぞ。顔が久々に見れて嬉しいよ」
お兄ちゃん。
この人がサッカーメイトの?、と聞いてくる凪帆。
俺は頷きながら、元キーパーだった少女だ、と答える。
それから遠矢は頭を凪帆に下げた。
「長谷部遠矢です」
「私は伊藤凪帆です。.....お兄ちゃん.....元輝さんの彼女です」
「嘘吐くな」
俺は額に手を添えながら盛大に溜息を吐く。
すると遠矢は笑顔で、クスクス、と笑う。
俺達の漫才の様な状態に、だ。
そして、この子は俊一です。.....男の子です、と言ってくる。
4歳ぐらいの子だ。
「お願いします!」
「.....何をお願いするの?俊一」
「えへへ」
そんな会話を息子とする遠矢。
良かった.....、と思う。
当時の彼女は本当に暗かったから、だ。
だからこんなに明るくなって.....嬉しく思う。
俺は思いながら.....飯島を見る。
今は、長谷部、だけど。
「.....またサッカーをやっていて.....嬉しい。.....君が」
「.....俺はサッカーをしている訳じゃない。鈍ったよ。.....全然」
「.....あの事故以来.....してないの?」
「まあ酒に溺れる日々だったよ。.....でもこの子が気付かせてくれたんだ。俺にはサッカーの方が良いって」
「.....そうなんだ。.....大切な人なんだね」
「.....そうだな」
俺は言いながら凪帆を撫でる。
子供扱いしないで、と言うが.....いや。
まだ子供だろ。
18歳はよ。
思いながら額を弾く。
「.....ねえ。伊藤さん」
「.....はい?」
「私は.....出来なかった事がある。.....でも貴方なら.....きっと出来そうね」
「.....何をですか?」
「.....元輝は本気でサッカーが嫌いになった様にしているから.....引き摺り戻してあげて」
「.....!.....任せて下さい」
私はもう引退したから.....何も出来ないけど、と言いながら俺を.....そのまま柔和に見てくる遠矢。
いやいや。
そんな事無いが。
そこまでサッカーに夢中になっている訳じゃ無い。
「ところで凪帆さんとは上手くいっているの?」
「遠矢。勘弁してくれ。俺達は付き合っている訳じゃ無い」
「あれ?こんな可愛らしい子なのに?」
「そうだよ。.....俺は付き合っている訳じゃない。.....まあでも.....うん」
確かに俺は好きではあるけどな。
凪帆の事は、だ。
だけどそれは恋とかじゃ無い。
俺は思いながら.....凪帆を見つめる。
凪帆は、ふむ、満更でもない顔をしている。
俺の心を察しているかの様に、だ。
「お兄ちゃんは私が好き好きです。.....だから上手くいきます」
「.....そうなんだ。応援しているよ」
「.....ですね。応援して下さい」
「アハハ」
じゃあ私達は元輝達の練習見るね、とベンチに向かう。
丁度.....ナイスタイミングの様だから、と言いながら。
俺は、期待しても何も無いぞ、と苦笑しながら答える。
遠矢は、期待しているよ、と笑顔を浮かべた。
「またサッカーをしている姿を見れるって事は.....何かあるんでしょ?」
「.....無い無い。そんな大規模じゃない」
「.....そうなんだ。.....でもキッカーだった君ならきっと」
「.....キッカーって.....10年前だからな.....」
「アハハ」
お兄ちゃんってエースだったんだね、とキラキラと目を輝かせながら俺を見てくる.....凪帆。
俺は苦笑しながら、言うて3番目だけどな、と言う。
全く.....どいつもコイツも。
思いながら俺は上着を脱いだ。
「.....お前.....本気でするんだろ?」
「うんうん。本気でするよ。勿論」
「.....全くな」
考えながらの俺と俺達は。
そのままサッカーの練習を始めた。
何だか10年ぶりに良い汗を流せている様な気がする。
思いつつ俺は.....サッカーボールを追う。
まあ悪い気はしないな、と。
そう思いながら。
すると遠矢がこう言ってきた。
「.....10年前の事。.....私.....後悔していたからね」
「.....どう後悔していたんだ」
「.....足は悪くしたけど.....でもまだサッカー出来たのに引き止めれなかった事。
それを後悔している」
「.....そんなもん。仕方が無いだろ。お前のせいじゃないぞ。.....あくまで俺は.....」
俺は言いながらサッカーボールを蹴ったりそれからヘッドでそのまま当時を思い出す様にバウンドさせたりすると。
応援の俊一くんが物凄く喜んでいた。
俺はそんな姿を見ながら。
懐かしい感触を.....確かめる様に動いていた。
小学生だった義妹みたいな存在だった少女が10年越しに俺に求愛をしてきてそして10年という言葉に後輩がおかしくなったんだが..... アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
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