旅行計画.....?
第14話 旅行に行きましょう
世界中で.....2人に巡り会えた事を感謝したいものだな。
思いながら俺は.....写真を見る。
その写真と写真の収まっている封筒は無料だった。
俺は少しだけぎこちない俺の写った写真を見ながら.....苦笑する。
「元輝さん。記念になりましたね」
「.....そうだな。.....確かにな」
「.....私、これ宝物にします」
「.....そうか。.....まあそれならそれでも良いけど.....恥ずかしくないか?」
「.....私にとっては恥ずかしく無いものです。.....デートの記念です」
俺達は笑みを浮かべつつ会話する。
この場所は恋人の湖から少しだけ離れた場所だ。
自販機の横のベンチに腰掛けていた。
ほうっと少しだけ息を吐きながら俺はコーヒーを飲む。
そして明菜を見る。
「.....美味しいですか?」
「.....ブラックだから苦いな。.....ボタンを押し間違えるとは思わなかった」
「.....アハハ。元輝さんらしいです」
「俺らしいか。.....そうだな」
思いながら俺は顎に手を添える。
すると何か黙っていた明菜が顔を上げた。
それから俺を見てくる。
その。凪帆さんとは何処で知り合ったのですか?、と聞いてきた。
「.....凪帆は当時は近所のガキンチョだった。.....だけど凪帆は俺の家によく預けられていたんだ。.....今はそんな事は出来ないけどな。性犯罪とか多いし」
「.....ですね。.....それで知り合ったんですね」
「.....そうだな。.....まあそれで.....大体は。それで好かれていったみたいだ」
「.....そうなんですね.....」
「.....で。あの日のバス事故以来。.....俺と約束をした。.....死んじゃう前に約束を、ってね。それで俺は凪帆と.....将来婚約するって曖昧に約束したんだが.....まさか10年もそれを守っているとはな、って」
「でも私だって10年想い続けました。.....だから凪帆さんも.....きっとそれだけ好きだったんでしょう。.....でも私は負けませんけどね」
言いながら鼻息を荒くする明菜。
俺は苦笑しながらその姿を見つめる。
そうか、と言いながら、だ。
すると明菜はこう言ってきた。
「そういえば5月って休みがありましたよね」
「.....え?.....まあ確かにな。.....会社の改装で、だろ。.....3日だったかな」
「.....じゃあ旅行に行きましょう」
「.....何故、突然とそういう話になる。.....俺は嫌だぞ。家でゆっくりしたい」
「.....温泉だってゆっくり出来るでしょう?アハハ」
温泉に行くのかよ。
俺は思いながら額に手を添える。
それから.....明菜を見る。
お前.....旅費とかどうするんだ、と。
明菜は、当然私が出します、と答えた。
「もっとアホかお前は。.....全く.....俺は自分で出す」
「.....え?.....そんな。悪いですよ!」
「馬鹿野郎。お前な。後輩に出させてどうするんだ。.....俺は先輩なんだから」
「.....」
明菜はビックリしながら目を丸くしていたが。
その、私の計画に付き合ってくれるんですか?、とモジモジしながら聞いてくる。
お前が言い出しっぺの癖に。
思いながら俺は、まあたまには羽を伸ばすのも良いかって思っただけだ、と答える。
明菜は目を輝かせた。
「.....じゃあ.....凪帆さんも誘いませんか」
「でも凪帆の都合が取れるのか?」
「.....あ.....」
「.....オイ」
俺はジト目で明菜を見つめる。
絶対に都合が合わない。
平日だから、な。
思いながら俺は明菜を見る。
すると明菜は、凪帆さんに電話します!、と言い出した。
何を言っているんだ!?
「オイ。無理だって。絶対に」
「いや。聞いてみない事には!いつものお礼もあるんですから」
「いやいや。無理だって。平日だろうそもそも」
「そうして諦めても意味無いですよ。.....元輝さん」
俺は、やれやれ、と思いながらそのまま電話を掛ける明菜を見る。
そして電話の主は直ぐに出た。
それからこうなる。
都合、合わせます!!!!!、と絶叫する様に、だ。
俺は顔を引き攣らせる。
「だそうです!」
「だそうです!、じゃないよ。.....全く.....アイツめ」
「良いじゃないですか。彼女もそう言っているんだから」
「.....あのな。アイツは学校。俺達は休み。これは誤差が有りすぎるだろ」
「まあまあ。3日ぐらい学校をサボっても問題じゃないです」
「.....馬鹿野郎かお前.....」
本当に馬鹿野郎だな。
思いながら俺は唖然としながら溜息を吐く。
それから明菜の頭にチョップを下す。
明菜は、痛いです!、と涙目になった明菜をジト目で見る。
「.....まあもう言っちまったもんは仕方が無いけど。.....お前知っててやったな?」
「まあこういう答えになるとは予測しましたけどね」
「.....お前.....」
「まあまあ。頑固さだけじゃ生き残れませんよ?」
「.....お前がお気楽過ぎるんだ.....」
困ったもんだ.....。
明菜は、まあまあ、と終始言いながら笑顔を浮かべる。
それから俺に向いてくる。
元輝さん。今日はこれで帰りましょう、と言ってくる。
「.....突然だな。.....どうした?」
「.....いえ。.....もう充分周ったから、です。アハハ。.....それに.....今日は楽しかったからですよ」
「.....そうか」
明菜は俺を柔和に見てくる。
その反応に、じゃあ帰るか、と笑みを浮かべて言う俺。
すると明菜は俺に、はい、と言ってきた。
そして.....立ち上がると。
「.....元輝さん」
「.....何だ」
「.....私は.....貴方が誰のものになっても応援します。やっぱり」
「.....どうしたんだ?急に」
「.....いえ。ふと思ったからです。.....私と結ばれなくても.....応援したいなって」
「.....分かった。.....有難うな。そう言ってくれて感謝だ」
でもまあ実際にそうなったらちょっと悔しいかもしれないですがね、と苦笑しながら明菜は告白する。
それから俺達はそのまま帰宅を開始してから駅前のロータリーで別れた。
俺は歩く。
そして帰宅すると。
俺の部屋に凪帆が居座っていた。
ラノベ、漫画を読みながらポテチを食っている。
何やってんだコイツは.....。
おかへり、とか言っているが.....。
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