27 一難さって、、、、
10ヶ月目
あれから家の前に見える道路に車が通ると
ドキッとするのは、ある意味、後遺症だ
道に車を停めて昼寝でもされると
気になってしょうがない
今は、新しい企画で準備に忙しく
久美子さんも、あれから
こっちに帰ってこれない状況で
週末婚状態に戻っていた
夜に電話で話すのが楽しみだった
あれから何もなかったようにしているが
お互い何かが変わったのかも、、、、
その日は、朝から電話が鳴った
久美子さんからだ
「俊介君」
「千尋が幼稚園で怪我して、、、」
「大したことは、ないと思うけど」
「念の為、今から病院に行く」
「久美子さん、すぐそっちに行くよ」
急いで夕方の便に乗った
空港から、いつもなら、電車だが
タクシーで急いだ
久美子さんの家に着くと
旬がいた
なんで旬が そう思ったけど
「二人に寄り添う旬は、父親だった」
僕は、久美子さんに千尋の状態を聞き、
「千尋に大丈夫と聞くと、」
千尋は、「うん」とうなずいた
旬は、気まずかったのか
「俊介さん、俺たまたま、こっちに帰ってきて、、、、」
旬の方から話し出した
「保育園の方から、連絡もらって」
「駆けつけて」
緊急連絡先は、久美子と旬だった
、、、、
僕は、言葉がなかった
そのあと、旬は、
「じゃー」っと、僕に声をかけて帰った
久美子さんが何かを言おうとしたけど、
「千尋、痛くない」そう言って
僕は、何かをごまかした
翌朝、松崎さんが朝から、久美子さんを迎えに来た
子供を見てもらうため
妹の由香さんも一緒だ
僕も出勤で家を出ようとしているところだった
「久美子ちゃん、あの車、気にならない、、、」
「この一ヶ月の間に何回か見てる気がする」
松崎さんが、そっと窓を開けて
外を指差した
「うん、そう言えば」久美子さんは、そう言うと
二人は、目を見合わせた
「あれね、週刊誌か、何かね」
松崎さんは、そう言うと、
僕に裏口から出るよう言った
松崎さんと久美子さんは、表から
僕は、裏から、同時に出た
ずっと普通の生活をしている
僕には、思いもしない出来事だった
僕の普通の生活が
だんだん普通では、なくなっていることに
今頃、気づき始めた
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