24 再び



翌日、久美子さんと千尋、香奈を空港まで送り


一人、家に戻った


本当は、一緒に帰る予定だったが


なぜか、あの時、「仕事が」


嘘を言ってしまった


ジョーの話、旬の話


気持ちが追いつかなかったからだと思う


久美子さんも、嘘だと分かってるだろう


そう思うと、今朝の笑顔が眩しすぎた



気を取り直して、仕事をしよう


パソコンのを開くと、昨日の「久美子、女優」の検索したままで


思わず、閉じた




気分を変えようと


山に出かけた


ススキとバラの写真を撮るために


昔、祖母ときた


登山道を上がり、秘密の通路を抜けると


ススキ野原に出る


ここは、何年経っても変わらない



ススキのトンネルを上がっていくとバラが咲いている


しかし、トンネルは、ススキに覆われ見えなくなっていた


元々は、獣道で地元の人が山菜取りに


通ることでトンネルが出来ていた


今は、過疎化で通る人もいなくなった


回り道で、登る事もできるが


僕は、道の窪みを伝い、ススキまみれになりながら


登り切った


そこから見えた景色は、祖母と見たものと違い


雑草だらけで荒れていた


見まわすと雑草の影にバラが見えた


僕は、まわりの雑草を引き抜くとバラが綺麗に咲いていた


写真を撮ろうと、カメラを手にすると


手から血が



棘で切ってしまった



祖母と来た時も同じだった


バラを持ち帰ろうと掴んだ時に棘で怪我をした思い出が


蘇った



風が強く吹くと寒かった


時計を見ると、まだ十二時だった



持ってきた、おにぎりを食べ、下山した


山から出て道に出ると自宅が見える


また、玄関にトラック


ジョー君のトラックだ 


家に戻ると


「俊介さん」「昨日のお酒」「お礼も言わないですいません」


手には、地元の焼酎


「送ろうと思ったけど」


「久美子ちゃんが家にいるって」届けました


「あと、迷惑じゃなければ、屋根修理してもいいですか」


腐った屋根部分を指差した


「道具は、最低限、買ってきました。俊介さんの道具も使わせてください。」


「そう言うと、いくつかあるハシゴの中で一番長いハシゴを立てた」


見るなり


「切り落とさないとダメですね」


ジョー君が状況の説明をしてくれた


「屋根の庇を切り落とし、木材を継ぎ、板を張り替える」


「最後に雨樋も、取り替えて終了」


ジョー君には、「プロの仕事を紹介したいと、写真も撮らせて」と


お願いした。


ジョー君は、手際よく、作業を進めた


「俊介さん、少し休憩しますか」


「コーヒーでもいれます、、、」



見慣れない車が車が入ってきた


乗っているのは、女性


律子だった








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