23 別れ
ジョー君が「これっ」缶コーヒーを俊介に渡した
買ってから、時間を潰したのだろうか
わずかに温かい
「ありがとう」そう言ってコーヒーを飲むと
「俊介さん、屋根と」指差し、「あそこ腐ってるよ」
「あと雨樋の外れかかってる」
「古い家だから、また直すよ、これも仕事だから」
そんな話をジョー君としていても
やはり中が気になった
何か声は、聴こえるものの内容までは、わからない
もう、2時間くらいは、たったか
玄関から声が聞こえた
開き戸がガラガラと開くと、
松崎さんが「ジョー」「旬が帰るわよ」
大きな声が聞こえた
玄関に松崎さんと旬が見えた
松崎さんの後ろには、久美子さんと、千尋、香奈も一緒だ
安心した
松崎さんは、
ジョーと俊介に向かって、
「久しぶりね」「元気だった」と聞くと
二人は、「はい」と答える
まるで仕切り直したような会話だった
松崎さんが
「旬、これで久美子ちゃんとは、最後よ」
「久美子」「旬は、子供の父親でもあるのよ」
「会わせる、会わせないは、ないのよ」
「ちゃんと子供のことも考えなさい」
「俊介君も夫であり、二人の父親よ」
「これから、ちゃんと久美子ちゃんと話し合ってちょうだい」
「私が言えるのは、ここまでよ」
「わかった」
みんな頷いた
「じゃー、帰ってちょうだいと」そう言うと
旬とジョーをトラックに乗せて
帰らせた
二人を見送ると
松崎さんもタクシーを呼び帰り仕度をした
「さー、久美子ちゃん」
「明日から、仕事よ」
「元気出して、行くわよ」
「俊介君も一緒にこっちにくるの」
そう聞くと
「僕は、今日、仕事が片付かなかったので、、、、、」
「明日から、こっちで仕事をしてから、向こうに帰ります」
久美子さんが「ごめん」と謝った
「じゃー、久美子ちゃん明日、空港でね」
到着したタクシーでホテルに向かった
松崎さんが帰ると急に家が静かになった
千尋と香奈は、疲れたのか、二人で横になって眠っていた
僕と久美子さんも、外を眺めながら
「ふ〜」と溜め息をついた
久美子さんが「縁側って、いいね」
そう言うと僕に寄りかかった
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