18 ゴッドマザー

大学時代から、旬、ジョー、久美子さん


この3人は、一緒だ


あと加えるなら、僕じゃなく松崎さんだろう


久美子さんを説得できそうな人


僕が言った


「松崎さんにも 頼んでもらうのは、」


旬とジョーは、声を合わせ


「それは、無理だろう」と言った


松崎さんの旬に対する怒りは、久美子さん以上だと


ジョー君は、言った



「俊介さんが頼んでくれたら」 ジョー君が頼んだ


僕には、自信が無かった


「じゃー 久美子さんに電話するよ」


そう言うと、二人は、お願いしますと


頭を下げた


「久美子さん」「さっきは、ごめん」「勝手に家にあげちゃって」


もっと考えるべきだっと 僕は、謝った



「二人は、 もう帰った」

久美子さんが冷たく僕に聞いた


「あのー、そのーと」言うと


「まだいるの」声のトーンが上がった


「まだ、いま」


「す」と 言う前にブツッと切れた


横で見ている二人にもこの状況が伝わった





気が付けば、朝


テーブルを囲んで三人で寝ている


部屋には、酒の匂いが漂っていた


昨日は、あれからいい考えもなく


沈黙が続いて


ジョー君が飲もうと言い出して、、、、


そう、戸棚に入っていた焼酎を出したんだ


空いた瓶が目の前に2本あった



旬の考えを聞き出そうと、僕が酒を出した


でも、何を話したか、、、、


そう、先に倒れたのが旬で


その後は、、、、、


そうだ、最後、ジョーが殴られたんだ


旬に何か言って


何を言ったのか、思い出そうとした



顔を洗って思い出そうと立ち上がると、旬が目を覚まし


「俊介さん、おはようございます」と体を起こした


その声にジョー君も起きた


「あー と大きなあくびをしながら俊介さん、おはよう」と


ジョー君の顔を見ると、頬に擦り傷があった


今の状況は、僕、妻の元夫、その友人が家にいる


元夫の元妻で

今は、僕の妻が家を出て行った


そのまずい状況で酒を飲んで


みんなでぶっ倒れてる



「やはり二人を追い出すべきだった」そう思った


僕は、この匂いを隠そうと窓を開けた


外からの風がこの部屋の匂いを消すと


旬が「すいません」と正座して謝った


「僕ら帰ります」 そう言うと


ジョー君に「これ以上、迷惑かけられない帰ろう」



彼らが帰り支度をすると


僕は、諦めてくれたのかと安心した


二人を玄関先まで見送りに外に出ると


遠くから僕の車がこっちに向かっていた



久美子さん、


帰ってくるのには、まだ早い


何やら嫌な予感がした



車が家についた


中には、久美子さんでは、なく


松崎さんが乗っていた


後ろにも横にも誰もいない


一人だ


ドアが開き、車から松崎さんが降りてくると


旬の元により、「パチン」っと平手打ちを食らわした


「何を今更と」睨みながら言った


もう一度、「パチン」っと乾いた音がした


今度は、ジョー君が一発食らっていた


ジョー君がこっちを見て「なんで」と言わんばかりの顔をした


松崎さんが今度は、僕の方を見て


「パチン」っと一発


一番大きな音がした


キーンと耳の中が響く


目の前に星が見えた


僕は、ジョー君を見た


ジョーは、「痛そー」と言わんばかりに顔をしかめた



 僕に松崎さんが言った


「情けない」「あんた、久美子、守るんでしょ」


僕は、返す言葉がなかった




松崎さんが旬を見て、


「久美子から、聞いたわ」


「これ以上、久美子の生活を壊さないで」


「あなたの為じゃない、子供のためよ」


「あとで、久美子と子供を連れてくるわ」


「最後にして」 


そう言うと


旬に封筒を渡した


「書いて」


そう言うと僕の車で


また戻って行った


封筒の中は、たぶん離婚届だろう









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