愛に泳ぐ
淡女
第1話「鬱憤の中で」
僕はついさっき、童貞であることを捨てた。
ついさっき、僕の中に溜まっていた白い液体が僕の横で寝ている女の子のお腹の上にあった。
シーツには僕の精液と彼女の唾液が飛び散って、もし自分の部屋だと思うとゾッとする。
気持ちよさそうに眠る彼女を横に、僕はこの世について考えていた。
結局、こういうことを、過去の、たくさんの人たちが繰り返して、自分が生まれたんだなと思うと、
人生に意味や価値を求めることへの無意味さや無価値さに虚しさを覚える。
アダルトビデオでたくさんの女性の裸体を見て、この世の至福だと思っていたが、
セックスがホテル代五千円に見合うものなのか、よくわからなかった。
愛に泳ぐ 淡女 @kuramaru1024
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